埼玉新聞

 

教養試験廃止、試験日数3→2日間に 社会人採用でさいたま市 人材確保へ受験資格、試験方法など大幅変更

  • 【役所】さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

    さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

  • 【役所】さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 埼玉県さいたま市は22日、2024年度市職員採用試験のうち社会人経験者の教養試験を廃止し、受験資格の要件を緩和すると発表した。一般職員試験の申込者数が減少傾向を示していることから、負担軽減を図って受験しやすくすることで、多様な人材を確保していきたいとしている。

 市人事委員会任用調査課によると、社会人経験者の行政事務の採用試験で、社会科学や人文科学など一般知識の問題を含む教養試験を廃止し、企業の採用試験で使われている基礎能力検査「SPI3」を導入する。集団面接も廃止し、試験日数を3日間から2日間に短縮する。

 受験資格の要件では、民間企業などの職務経験をほぼ半減。直近10年中に通算5年以上、週に20時間以上の勤務に変更した。同課は「子育てを終えた方やパート勤務の方もチャレンジできるように門戸を広げた」としている。

 市職員採用試験の申込者は減少傾向を示している。最も申込者数の多い一般的な行政事務Aの申込者数は、21年度が1097人、22年度が929人、23年度が882人だった。民間との競合や公務員の働き方などが影響しているとみられている。

 社会人経験者の教養試験廃止は、群馬県や茨城県、横浜市などが実施か実施予定で、廃止の流れは各自治体に広がっているという。同課は「公務員試験の申込者数は全国的に伸び悩んでいる。仕事の魅力を伝えた上で、受験者の負担軽減を図り、必要な人材、多様な人材を確保していきたい」と話している。

 市は一般の福祉と心理、職務経験者の福祉と心理、保育士でも教養試験を廃止した。

 問い合わせは、同課(電話048・829・1778)へ。

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