埼玉新聞

 

辞退…新たな複合施設の建設、唯一の業者が入札を断る「全国的に繁忙、下請けの確保困難」 建設費116億円を投入する計画 26年度中の完成、見送られる可能性「工事スケジュールの見直しは必至」

  • 【地図】志木市(背景白)

    市民会館と体育館の複合化、スケジュール見直しへ=志木市

  • 【地図】志木市(背景白)

 志木市は14日までに、施設の老朽化と耐震強化を理由に市民会館(市本町1丁目)と市民体育館(市館)を解体し、双方の機能を備えた複合施設を建設する計画を巡り、入札の参加資格の1次審査を通過した業者が「全国的に設備工事の繁忙度が高く、下請け業者の確保が難しい」として入札を辞退した、と発表した。同審査の通過業者は1社だけだったことから、市は「工事スケジュールの見直しは必至」としており、当初の計画だった2026年度中の完成は見送られそうだ。

 市によると、複合施設の建設は21年8月に決定。市民会館の跡地に建設費約116億円を投入して24年7月に着工し、27年3月までに完成させる計画。今年1月、入札参加の告示を実施したところ、1社が希望。市総合評価落札方式審査委員会の参加資格などの1次審査を通過した。

 その後、今年5月、技術部門を評価する2次審査を実施する予定だったが、同社は3月8日、同委員会に入札参加の辞退を申し入れた。

 市民会館は23年7月から解体作業が始まり、今年6月に終了する。市民体育館は現在、稼働しており、複合施設完成後に解体する予定。

 市は「建設業界の状況を見ながら工事のスケジュールを検討していきたい」としている。
 

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