埼玉新聞

 

初挑戦で快挙 合格率2割の税理士試験2科目、狭山経済高の3年女子が合格 家族も協力、母親も泣いて喜ぶ

  • 合格通知書を手にする板垣里奈さん=7日、狭山市稲荷山の狭山経済高校

 昨年8月に行われた税理士試験2科目に埼玉県立狭山経済高校会計科3年の板垣里奈さん(18)が合格した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で学校が休校になる中、努力を重ねてきた板垣さんは「多くの時間を勉強に費やしてきて、合格通知を受け取った時は言葉にならないくらいうれしかった」と笑顔で話した。

 難関試験とされる税理士試験は11科目の中から5科目に合格することで税理士資格を得ることができる。今回板垣さんが合格したのは「簿記論」と「財務諸表論」の2科目。いずれも合格率約20パーセントの難関を初めての挑戦で突破した。

 高校2年時に日商簿記1級に合格していた板垣さんは同校では簿記部に所属。顧問の木田大輔教諭は「学校が休校になり、また部活動の全国大会も中止になるなど本人は弱音は吐かなかったが苦しい時を過ごしたと思う」と話す。

 昨年2月末から5月末まで学校が休校の間は空いてる時間を見つけては試験の勉強を進めていた。「勉強で疲れても、外出自粛などで気分転換できず苦しかった」と振り返ったが「どんなに見たいテレビがあっても時間を決めて勉強に取り組んできた」とたゆまぬ努力が実を結んだ。

 家族もコロナに感染しないようにと外出を控えて協力してくれた。合格を伝えた時は「母親は泣いて喜んでくれました」という。

 高校卒業後は都内の専門学校に通い残る科目の合格を目指す。「税理士になって相続に関われれば。高齢化が進む中、相続に困っている人の手助けができればと思う。自分の勉強したことが人の役に立てば」と話していた。

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