埼玉新聞

 

安倍首相、辞任 突然の表明、県知事ら反応「心から敬意」「今後も指導を」「再び活躍を」「良い判断では」

  • 応援演説する安倍晋三首相=2016年6月28日午後、JR大宮駅西口

 安倍晋三首相(65)は28日、官邸で記者会見し、辞任する意向を表明した。体調が悪化し、首相の職務を継続するのは困難と判断した。「安倍1強」を誇った最長政権は2012年12月の第2次内閣発足から約7年8カ月で幕を閉じる。自民党は速やかに総裁選を実施して新総裁を選出する。「ポスト安倍」候補には自民党の岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官らの名前が挙がっている。

■突然の表明に驚き/大野知事

 大野元裕知事は28日、「8月24日に、連続在任期間が歴代最長となったばかりであり、突然の辞意表明に驚いている。新型コロナウイルス感染症への対応が長期化する中、国民生活の安心安全を確保するためには、自らの健康を考え、お辞めになり他の方に任せるのが最善とご判断されたのだろう。安倍首相におかれては、東京五輪・パラリンピックの招致やG7サミット、G20サミットの開催など外交面でも尽力された。これまでのご功績に対して心から敬意を表したい」とコメントした。

■尽力に心から敬意/清水さいたま市長

 さいたま市の清水勇人市長は28日、「辞任の意向を表明されたことに、大変な驚きを持って接した。アベノミクスや一億総活躍社会の実現にまい進し、新型コロナウイルスとの闘いにも国のリーダーとして果敢に取り組んでこられた。志半ばで辞任されることは大変残念だが、長きにわたるご尽力に対し、心から敬意を表し、一日も早くご健康を回復されることを心から祈念している」とのコメントを発表した。

■県議会、各会派代表らの反応

 安倍晋三首相の突然の辞任表明に、県議会の各会派代表らはそれぞれに反応した。

 自民党県議団の小島信昭団長は「歴史に残る在任期間の節目を迎えたばかりで、痛恨の思いだろう。自民党として大変な功績を残された方。どうかご自愛いただき、今後も後輩をご指導いただきたい」と心中をおもんぱかり、敬意を示した。

 公明党県議団の西山淳次団長は「任期途中の再度の退陣はさぞやつらい決断だったと思うが、持病悪化による健康上の理由なのでやむを得ない。政治的空白を作らず、新たな政権でコロナ対策をはじめとする課題に取り組んでほしい」と述べた。

 県民会議の岡重夫代表は「在任期間中に拉致問題を解決すると明言していたが、解決に至らず残念がっていると思う。健康上の理由で辞任ということなので、ゆっくりと静養されて、健康が回復したら再び活躍されることを願う」と話した。

 民主フォーラムの田並尚明代表は「難病を抱えながらコロナ対応で休みなしに働いてこられたので、養生していただきたい。首相はいろいろな判断が求められる。体調が悪くて国政や国民に迷惑が掛かるのであれば、お辞めになるのは良い判断であったのではないか」と理解を示した。

 共産党県議団の柳下礼子団長は「今までで一番長い悪政が行われてきた。森友・加計問題や桜を見る会など、政治の私物化は許されない。コロナ対応ではマスク問題で後手を踏んだ。政治の見通しが立たない中で病気になり、辞めざるを得なかったと思う」と語った。

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