埼玉新聞

 

<高校野球>創部61年目の初頂点 狭山ケ丘らしさ存分に…2年半の集大成、最後の大舞台で貫く

  • 昌平―狭山ケ丘 初優勝を勝ち取った瞬間、抱き合って喜ぶ狭山ケ丘の清水(左)―平賀バッテリー。手前は二塁手川俣=メットライフドーム

 創部61年目の狭山ケ丘が春夏秋の県大会を通じて初の頂点に立った。

 3点リードの七回、2死一、二塁からエース清水が投じた118球目。吉野哲を三ゴロに打ち取り、二塁走者を封殺した狭山ケ丘ナインがマウンドに集まって優勝の喜びをかみしめた。就任3年目の平沢監督は「率直にうれしい。選手の頑張りには頭が上がらない」と目頭を押さえた。

 昌平との決勝は、まさに2年半の集大成を示す試合内容だった。「一つのことを決めたら徹底してきた」と指揮官が話す通り、狭山ケ丘らしさを存分に発揮した。

 一回、1死三塁から正高の適時打で先制すると二回にも金子の三塁打で2点を追加。「変化球は(一拍)置いて合わせることをチームとして徹底してきた」と正高主将。チームの決めごとを最後の大舞台で貫き、序盤の得点につなげた。

 エース清水の投球も成長を感じさせた。2年生の春から背番号1を任されながら、接戦をものにできない弱さが課題だったが、今大会は粘り強く要所を締める投球が光った。一回、1死二塁のピンチで「相手を泳がすように意識した」と清水。3番吉野創、4番渡辺に対し、外へ逃げるスライダーを決め球に2者連続三振を奪った。

 六回以外は得点圏に走者を背負いながらも、打たせて取る投球で2失点完投。清水は「(1年間)エースとして自覚を持ち、自分に言い聞かせてきた」と胸を張った。

 埼玉高校野球に新たな歴史を刻んだ狭山ケ丘ナイン。正高主将は「厳しいことも言ってきたけど、(みんな)付いてきてくれたことに感謝」と仲間をたたえた。

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