埼玉新聞

 

埼玉で味わえる本格“四川料理”いかが、有名料理人の魂が宿る老舗町中華「幸龍」必見 人気メニュー詳細は

  • 人気の小海老のチリソース(右)と鉄板ギョーザ

    人気の小海老のチリソース(右)と鉄板ギョーザ

  • 厨房に立つ店主の堀内浩市さん=新座市野火止の「中華酒膳 幸龍」

    厨房に立つ店主の堀内浩市さん=新座市野火止の「中華酒膳 幸龍」

  • 人気の小海老のチリソース(右)と鉄板ギョーザ
  • 厨房に立つ店主の堀内浩市さん=新座市野火止の「中華酒膳 幸龍」

 「お客さんと従業員、家族に感謝しかないんです。だって、子どもの時の夢がかなって、それで生活しているんですから」―。生まれ育った地元で「中華酒膳 幸龍」を開業して約30年。経営する堀内浩市さん(58)は山も谷も経験した今、感慨深げにこう振り返る。

 東上線志木駅から南に約2キロ。新座市立第2中学校前の実家で育った。高校卒業後に都内の調理学校を経て京都のホテルの中国料理店に就職。そこで四川料理の大家陳建民の弟子に料理の極意をたたきこまれた。その後、神戸市の広東料理店、千葉県幕張市の上海料理店で修業を積んだ。

 小学生の頃から食べることと料理が好きで、近所の子どもを集めては料理本で覚えた料理を作り、振る舞った。地元を離れて10年目に父親が貸していた実家の隣のテナントが空いたため、同店を開業。「コックになり自分の店を持つ」という小さい頃からの夢が実現した。

 店の売りは、“陳建民の孫弟子”として作る本格的な四川料理だけではない。ホイコーローやマーボー豆腐に使用する甜麺醤(テンメンジャン)は八丁味噌(はっちょうみそ)から作り、料理に使用する油は長ネギを活用して香りを付け、辣油も手作り。料理と飲み水には美味しく、胃腸に良いとされる電解水素水を使用する。
 
 開店当初はランチだけで70~80人が来店。常連客も1週間に1度は顔を見せるなど盛況だった。ただ、今は「常連も1カ月に1回になった」という。1人で厨房を切り盛りするためか、38歳で脳梗塞、40代には下肢静脈瘤を発症、3年前には網膜剥離を患い、今も通院している。

 それでも堀内さんはこう話す。「美味しいと言ってくれるお客の笑顔を見るのが一番。それが調理人としての自負なんです」。

【メモ】中華酒膳 幸龍(こうりゅう) 新座市野火止7の20の3(電話048・478・8642)。営業時間は昼の部(午前11時30分~午後1時30分)、夜の部(午後5時30分~午後8時30分)。定休は月曜「終日」と木曜「夜の部」。アクセスは東上線志木駅南口から西武バス「ひばりケ丘」「朝霞台」行き「第二中学校」下車。

【主な人気メニュー】四川麻婆豆腐850円、黒酢酢豚890円、油淋子鶏880円、小海老のチリソース950円、ムース―ル定食(豚肉と玉子、キクラゲの炒め物)900円、エビ入り半熟玉子あんかけ丼830円、鉄板ギョーザ440円(価格はいずれも税込み)。
 

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