埼玉新聞

 

<新型コロナ>待ちに待った宣言解除 戻りつつある観光客…川越・菓子屋横丁、本来のにぎわいには遠く

  • 観光客の姿も見え始めた菓子屋横丁=30日午後2時半ごろ、川越市

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除され、初めての週末を迎えた。観光地として知られる秩父地域や川越では、店の再開や久しぶりの遠出に笑顔を見せながらも、再び感染が広がらないよう気に掛ける声が聞かれた。

 緊急事態宣言が解除され、最初の週末を迎えた川越市の観光エリア。解除前と比べ、観光客が戻りつつあるが、本来のにぎわいからは、程遠い。

 情緒ある石畳の小道に駄菓子店などがひしめく菓子屋横丁で、土産店を営む50代男性店主は「(宣言解除を)待ちに待った」と表情を緩める。

 新型コロナウイルスが襲来する以前は午後2~3時ごろにもなると、店前の小道はそぞろ歩きの観光客で混雑した。外出自粛要請が出た以降も若者や外国人観光客の姿は見られていた。しかし新型コロナに感染した芸能人が亡くなった3月下旬から、ぱたりと客足が途絶えたという。

 「菓子屋横丁で昼すぎに、車の通り抜けなんて考えられなかったが、それが最近まで見られていた」と店主。コロナの影響で売り上げは98%以上落ち込んだ。「解除後も観光自粛や都県をまたいだ移動が制限されるようだと厳しい」と話した。

 所沢市から観光に訪れた会社員男性(27)は「まだコロナが怖いので遊ぶなら近場がいい。2月に来た時よりも観光客が随分と少ない」。一方、茨城県土浦市から訪れた会社員男性(45)は「今なら観光地もすいていると思い、県をまたいで来た。収束に向かっているので、コロナは気にならない」と話していた。

 東京都板橋区からバイクで訪れた会社員女性(22)は「川越まで道路が混んでいて、みんな動いているなと感じた。店内飲食を控えたり、マスク着用や人との距離を保つなど注意して観光したい」と話していた。

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