埼玉新聞

 

給食で食べた? 1975年開発の「アーモンドフィッシュ」 実は埼玉・熊谷発 味付け、当時から変わらず

  • 看板商品の「アーモンドフィッシュ」を持つ藤沢裕文取締役=埼玉県熊谷市問屋町

    看板商品の「アーモンドフィッシュ」を持つ藤沢裕文取締役=埼玉県熊谷市問屋町

  • 看板商品の「アーモンドフィッシュ」を持つ藤沢裕文取締役=埼玉県熊谷市問屋町

 埼玉県熊谷市問屋町の藤沢商事は乾物食品やチルド食品を中心とした総合食品メーカー。当初は煮干しやかつお節の卸会社として創業したが、現在は食品事業部やチルド事業部、ペットケア事業部などがあり、幅広い分野でオリジナルの商品を展開する。昔ながらの製法を守りながら、最先端技術も導入して安全安心な食品の研究開発に取り組んでいる。

 ロングセラーの看板商品が1975年に同社が開発した「アーモンドフィッシュ」で、全国の学校給食にも採用されている。ローストしたアーモンドとカタクチイワシが入り、パリッと香ばしく、口当たりも良い。子どものおやつや大人のおつまみにもピッタリで、幅広い世代から親しまれている。藤沢裕文取締役(43)は「代表的な商品だが、味付けは変わっていない」と語る。

 2004年12月に大日本水産会の衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」認定を取得。製造工程で金属探知機やX線異物探知機、人工知能(AI)による選別機などを導入し、衛生管理も徹底している。機械化が進む一方で、最終的な確認は人に頼る部分もある。短時間勤務の体制を整え、パートを含めて約500人の従業員を確保している。

 新型コロナウイルスの影響で、外食の機会が減り、家庭での乾物商品の需要が増えた。現在はコロナ前の状態に少しずつ戻ってきたが、今後は海外にも注力していくつもりだという。「国内の人口は減っていくが、今は円安が続いていることもあり、今後は海外向けに日本食をもっと展開していきたい」と意気込む。

 藤沢取締役は同市出身・在住で、入社前には築地市場の乾物専門店で6年間修業し、目利きの勉強を行った。入社10年目になった現在は原材料の仕入れのため、全国各地を飛び回る慌ただしい日々を過ごしている。「食文化の欧米化が進んでいるが、乾物の良さを広め、業界全体を盛り上げていきたい」と話した。

■藤沢商事

 熊谷市問屋町2の5の5(電話048・524・1324)。

ツイート シェア シェア