埼玉新聞

 

<新型肺炎>手作りマスク、岩槻大師で参拝者に無料配布 梵字を浄書、コロナウイルス退散のお守りにも

  • 参拝者に手作りマスクを配布している岩槻大師=19日午後、さいたま市岩槻区

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けてマスク不足が続く中、さいたま市岩槻区本町の岩槻大師彌勒密寺では、彼岸入りの今月17日から、参拝者に手作りマスクを無料配布している。同寺73代目の上村正剛住職(78)は「新型コロナウイルスの早期退散を願って、マスクで困っている人の力になれれば」と話している。

 マスクは半紙を四つ折りにし、両側の穴に水引を通した手作りのもの。大人用(縦12センチ×横17センチ)と子供用(同8センチ×17センチ)それぞれ100枚製作した。マスクの内側には「コロナウイルスから、人々を守ってほしい」との願いを込めて、住職自らが不動明王と薬師如来の梵字を浄書した。不使用時には、コロナウイルス退散のお守りとしても活用できるという。

 同寺では僧侶の修養会や、地元子供会が写経教室をする際、神聖な場所を汚さないようにと、常に今回のような手作りマスクを用意している。世界的な新型コロナウイルス流行に伴い、「少しでも社会の役に立てれば」との思いから新たにマスクを作り、参拝者への配布を決めた。

 配布は彼岸明けの23日までを予定し、要望や在庫があれば、その後も続けるという。

 墓参りに訪れマスクを受け取った同区本町の押田道子さん(66)は「マスク不足が続く今、住職ら皆さんの温かい心遣いがうれしい。お守りとして自宅に飾りたい」。孫娘の長島彩海さん(7)は「もらったマスクを着けて、仏様の力で世界中のウイルスを撃退してほしい」と願っていた。

 上村住職は「買い占めや転売により、マスクを必要としている多くの人が困っている。みんなで支援の輪を広げ、新型コロナウイルス退散を願いたい」と話している。

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