埼玉新聞

 

大宮西高、最後の卒業式 市立4高の中で学校生活の満足度は最高 58年の歴史に幕、3月末で閉校へ

  • 大宮西高校として最後の卒業式を終えたさいたま市立大宮西高校56期生たち=16日午後、さいたま市大宮区

 さいたま市大宮区三橋4丁目のさいたま市立大宮西高校で16日、56回目となる同高最後の卒業式が行われ、239人の卒業生が共に過ごした思い出の学びやに別れを告げた。最後の卒業生を送り出した同高は今月末で閉校し、高等学校として歩んだ58年の歴史に幕を下ろす。

 大宮西高は1962(昭和37)年4月、埼玉県大宮市立高校として開校した。63年11月に埼玉県大宮西高校と改称、66年4月、現在の場所に移転し、94年4月に大宮市立大宮西高校に改称した。2001年5月、さいたま市が誕生し、現在の名称となった。

 校訓は「和敬信愛」。「若き憂いもよろこびも共に分かちつ夢清く」の歌い出しで始まる校歌は、詩人の宮沢章二氏が作詞した。卒業生には漫画家のあらい太朗さんらがいる。部活動など課外活動も活発に行われ、市教委の18年度調査では「学校生活に満足している」と答えた生徒の割合が98・3%と、市立4高校の中で最も高く、生徒から愛された学校だった。

 14年5月、市は大宮西高を中高一貫6年制の中等教育学校に改編する方針を発表。17年4月の入学生を最後に新入生の募集を停止した。今年度は中等教育学校の新入生と大宮西高3年生が同じ敷地内で、それぞれ学んだ。

 1、2年生の下級生がいない式典は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、保護者や来賓らも出席せず、マスク姿の在校生と教員のみで行われた。式は非公開で行われ、報道機関向けには、関田晃校長名で「感染症拡大防止の観点から」として、式の取材と撮影を許可しない旨の文書が出された。

 さいたま市教育委員会の細田真由美教育長は「大宮西高の歴史はいったん幕を閉じることとなりますが、栄えある歴史は卒業生全員の心の中に引き継がれます。自由な校風の中で育まれた西高魂でたくましく人生を切り開いてください」とコメントした。

 1月24日の共通登校日以降、久しぶりに再会した卒業生たちは皆、明るい表情。式終了後、正門前で共に過ごした友人らと楽しそうに写真を撮るなど、母校との最後の別れを惜しんでいた。

 生徒会長を務めた尾辻温(はる)さん(18)は「今までは実感がなかったが、久しぶりに学校に足を踏み入れ、これが最後だと思うと感極まる思いだった。こんなに素晴らしい学校はほかにない。先輩方、皆さんに感謝します」と話す。中嶋来実さん(18)は「理想の学校で過ごせた、きらきらした3年間だった。最終の一年、皆でいろいろなことを成し遂げ、成長できた。この学校に入って、本当に良かった」と感極まった様子だった。

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