埼玉新聞

 

見事!日商簿記1級、上尾高3年が合格「2年以内に公認会計士取る」 学校3時間、自宅2時間、毎日勉強

  • 日商簿記1級に合格した吉田凜さんと林昭雄校長=県立上尾高校

 簿記検定の最難関といわれる日本商工会議所(日商)の簿記1級試験に県立上尾高校商業科3年の吉田凜さん(18)が合格した。今回県内最年少、同校では4年ぶりの快挙。3度目の挑戦で念願を果たした吉田さんは「高校最後の試験で受かって良かった。うれしい」と喜んだ。

 日商簿記1級は、公認会計士や税理士など国家資格への登竜門として知られ、高度な簿記の知識が必要とされる検定試験。試験科目は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目。年2回行われ、合格ラインは70点。1科目でも10点未満だと不合格になる。

 2年生だった2018年11月に初挑戦、70点に4点足りず、次の昨年6月の試験でも68点で涙をのんだ。そして3度目の昨年11月に受けた試験で70点を大きく上回って合格した。「会計学で失敗してしまったので、自己採点ではだめかもと思った」と振り返る。今回、吉田さんが受けた試験は受験者7520人、合格者735人、合格率はわずか9・8%の狭き門だった。

 昨年2月に日商簿記1級と同等の全国経理教育協会4簿記能力試験上級(全経簿記上級)に合格。以来、在学中の1級合格に照準を合わせてきた。部活の簿記同好会で3時間、自宅で2時間のペースで勉強し、直前2週間は朝7時半に登校して問題を解き、本番に備えた。商業科進学を進めてくれた母親の千恵さんをはじめ、家族全員が合格を喜んでくれた。

 進路は東京IT・会計法律専門学校へ学費免除での進学が決まっている。1年生の頃は大学進学も視野に入れていたが「より専門性の高い勉強がしたい」と専門学校への道を選んだ。「2年以内に公認会計士の国家資格を取るのが目標」と冷静に将来を見据えつつも、「進学先の学校では、ゼミ学習があるので、これからはコミュニケーション力や人間力を高めていきたい」と人懐こい笑顔を見せた。

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