【NEOインタビュー⑪】篠宮畳店 「丁度いい」畳を選択肢に 埼玉県三郷市
「冬は寒くない、夏は暑くない。『丁度(ちょうど)いい』のが畳」。生まれた時から当たり前に畳で生活する環境で育ち、フローリングにはない良さを語る。新築の家に畳の部屋を造るか否か。若い世代の畳離れが進みつつある今、そもそも選択肢に上がらないこともある。さまざまな人に畳に触れてもらう機会を増やそうと、イベントなどで畳を貸し出すレンタル事業も始めた。
元々は吉川市内の病院で理学療法士として勤務。2020年、結婚をきっかけに収入を増やそうと、家業の畳屋を継ごうと決めた。家族には反対されたが、「頑張って働いた分だけ収入になることがモチベーションにつながっている。人を相手にする仕事という意味では変わらないし、今の生き方が自分に合っている」と前向きな姿勢を見せる。
最初に手を入れたのは、ホームページの作成。「畳の需要以上に、高齢化なども合わさって畳屋が減っている。だからこそ、検索したら出てくることが大事」。廃業する畳店の受け止め先が必要なことから、まずはインターネットで店が見つかり、問い合わせ先が分かるようにした。地元住民にも存在を知ってもらうため、少しずつチラシ配布も始めている。
畳のレンタル事業は、知り合いから「祭りで畳を貸してほしい」と言われたことがきっかけ。「頼まれて初めて需要を実感した」。天候次第では野外でも貸し出しており、問い合わせがあればニーズに合わせて畳を調整するという。「レンタル先で、若い人たちが畳に触れて良さが伝わり、選択肢に入れてくれれば」と期待を込める。
◆私を支える「家族への思い」
仕事のモチベーションは収入だけでなく、家族のため、子どもたちのために働くこと。「定時退社が当たり前だった妻には『休んで』と言われてしまうこともある」と明かす。
病院で働いている時に出会った妻(34)との間に、長女(4)と長男(0)の子宝に恵まれた。定時退社が当たり前だった病院と違い、休みがあってないような自営業。逆に何もなければ自由が利き、子どもとの時間は確保できるという。
妻には「30代が頑張りどころ、という焦りがある中、家事を引き受けてもらってありがたい」と感謝を口にした。









