【連載】埼玉発・企業トップが語る成長戦略 ドリテック・金田紀幸社長〈前編〉 品質とデザインの融合 ファブレス経営で挑む新たな成長
計測機器の技術を土台に、生活用品やメディカル事業、さらにはIP(知的財産)ビジネスへと領域を広げているドリテック(川口市戸塚)。自社工場を持たない「ファブレス経営」による徹底した品質管理と、優れたデザイン力を武器に持続的な成長を遂げている。金田紀幸社長に、今後の経営戦略とモノづくりへのこだわりを聞いた。
―計測機器からスタートし、現在は生活用品やメディカル事業まで幅広く展開されています。
「『はかる』というコンセプトで培った技術力をベースに、時代のニーズを先取りしながら事業領域を拡大してきた。温湿度計から電気ケトルなどの生活用品分野へ広げ、2011年には医療機器製造販売の認可を取得してメディカル事業へ本格参入した。根底にあるのは『身近にあったらいいな』という素朴な思いだ。社員のアイデアを形にすることを何よりも大切にしており、吸引機能付きのスチームアイロンなどもその好例。計測機器メーカーとしての確かな技術力と、医療機器の製造販売認可を併せ持っていることは、ドリテックの大きな強みとなっている」
―市場に受け入れられるヒット商品を連発できる理由、御社の強みはどこにありますか。
「徹底した品質管理体制と、優れたデザイン力の融合。毎年、約50アイテムの新商品(リニューアルを含めると約70アイテム)を市場に送り出しているが、これを支えているのが品質向上の仕組みだ。全社員が提出できる『改善提案書』の制度を設けているほか、全社員の約3割にあたる40人が品質管理業務に関わっている。さらに、約7割の社員が品質管理検定(QC検定)に合格しており、この組織的な取り組みによってクレーム率は0.1%以下という極めて低い水準を維持している。また、社内に20人のデザイナーを擁しており、機能性だけでなく意匠面でも高い評価をいただいている」
―製造面では自社工場を持たない「ファブレス」形態を徹底されています。
「『最適な場所で、最適なものをつくる』という基本方針のもと、ファブレス経営に特化している。現在、中国にある約60の協力工場と連携しているが、単に製造を委託するだけではない。ドリテックの社員が現地工場に常駐し、品質や生産体制を厳しくチェックすることで、国内外の拠点が一体となった高品質なモノづくりを徹底している。さらに、現地には100%出資の法人があり、生産管理や試作開発をスピーディーに行える基盤を整えている。近年はキャラクターなどのIPを活用したビジネスの展開にも注力しており、強みである確かな技術とデザインに、新たな付加価値を乗せて届ける挑戦も始めている。現状に満足することなく、これからも暮らしを豊かにするモノづくりに挑み続けたい」
=埼玉新聞WEB版=










