【NEOインタビュー⑥】永瀬農産 喜ばれる“味”に向き合う 埼玉県・吉川市
「イチゴは生で食べるもの。それなりの味では駄目。喜んでもらうために突き詰めるべきは、味」。イチゴ作りに正面から向き合い続け、9月には開園から6年目を迎える。「栽培面積を増やして、もっとたくさんのお客さまにイチゴ狩りに来てほしい。ゆくゆくは自分の品種を作りたい」と大きな夢を語る。
19歳の頃、将来を考える中で父・俊彦さんから「イチゴ作りに挑戦しないか」と誘いを受けた。実家は米農家で農業は身近な存在。種まき、田植え、稲刈りなど「いつも大きな機械を運転して楽しそうで楽なのかなと思っていた」。田んぼと畑は違うが、挑戦する決心をした。
「イチゴとコメは全く違った。覚えることが多くて毎日パンク状態だった」。葉を取り、花を摘み、パックに詰める。コメ作りと比べ、全てが手作業。「みんなが優しく教えてくれたおかげで、ギャップはあっても折れることはなかった」。栽培方法は一から学び、独立した時に必要になる接客も一緒に学んだ。
苦難もあった。1年目は植えた苗のうち1品種が全て病気にかかり植え直しになったことも。それでも周りの助けを得ながら自身でも育苗を行い、少しずつ納得のいくイチゴを安定生産できるようになってきた。
これまで栽培・販売をしてきたのは6品種。来季に向け、今年は県オリジナル品種・あまりんにも挑戦する。「お客さまからの期待の声も大きくて決心がついた。人によって味覚は違うけれど、10人中10人においしいと言わせたい」と唯一無二の味を求めていく。
◆私を支える「お客様の声」
再び足を運んでくれる人たちの「おいしかったから、また来た。いつもありがとう」という言葉が何よりの支えになっている。温度などの生育環境のささいな変化が味に影響する中、思っていた品質に達することができず落ち込むこともある。そんな時には、いつもお客さまからもらう生の声に励まされてきた。
物価高の中でも、できるだけ価格は維持する。時期や販売場所にもよるが、手に取りやすい価格帯に設定する。「自分は生産者であり、消費者でもある。安くておいしいものを提供し続けたい」。真心込めて育てたイチゴでお返しし、皆の笑顔をつくりにいく。










