最低賃金の引き上げ「速すぎる」、4割超の企業が回答 採用時の最低時給は平均1255円、最低賃金との差は78円に縮小 埼玉の最低時給は1322円、最低賃金1196円を126円上回る 「正社員の賃上げ原資が削られている」
企業が従業員を採用する際の最低時給は前年比50円増の平均1255円と3年連続で上昇した。帝国データバンクが全国2万2095社を対象にアンケートを実施した(有効回答1万235社、回答率46・3%)。2026年度の最低賃金の全国加重平均1177円との差は78円、25年度の84円から6円減と、2年連続で縮小した。
近年の従業員採用時の最低時給と最低賃金の差額は、24年の112円から25年は84円、26年は78円。最低時給そのものは上昇しているものの、最低賃金ほど伸びず、最低賃金との差は年々縮まっており、企業からは「最低賃金の改定に伴い、パート従業員の賃金は5年間で30%以上上昇した一方、粗利益は同じようには増えておらず、正社員の賃上げ原資が削られている」(紙類・文具・書籍卸売、東京都)との声があった。
最低時給を業界別にみると、不動産業が1318円で最も高く、次いで、サービス業が1296円、建設業が1293円で続いた。一方で農・林・水産業が1155円、小売業が1172円、製造業が1203円と全体平均を下回った。他方、低い業種は賃金上昇分を価格転嫁しにくい状況にあり、「最低賃金の引き上げが続く場合、値上げするしかないが、売れ行きは落ちるだろう」(飲食料品小売、山形県)との声もあった。
都道府県別にみると、東京が1410円で最も高く、次いで、神奈川が1381円、埼玉が1322円、大阪が1318円だった。一方で最も低かったのは鳥取の1107円。秋田が1119円、鹿児島が1123円で続いた。
各都道府県別の最低時給と最低賃金の差額をみると、東京が130円で最も大きく、次いで、埼玉が126円、福井が121円だった。他方、鳥取は17円にとどまり、秋田が29円、徳島と鹿児島がそれぞれ33円だった。東京の近隣県では最低時給を都内水準に合わせないと人が集まらず、差額が拡大している可能性がある。
企業が支払い可能と考える最低時給の上限平均は1275円、近年の最低賃金の引き上げペースについては42・3%が「速すぎる」と回答した。









