パシリ、家畜…いじめられた小6児童が欠席、保健室に通うと「保健室登校なんでしょ」と言われ不登校に 重大事態の認定は卒業後…市に88万円の賠償命令 保護者「隠ぺいの姿勢は全国的な問題」
埼玉県三郷市立小学校で2022年、児童がいじめを受け、市を相手取り300万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(桃崎剛裁判長)は22日、市に慰謝料など88万円の支払いを命じる判決を下した。原告側はいじめを認めた市側の調査報告が、教員や学校側の責任について十分に調査を行っていないと提訴した。教員の注意義務違反を認めた判決を受け、原告保護者は「いじめを隠ぺいしようとする姿勢は全国的な問題」と語った。
訴状などによると、当時小学校6年だった原告児童は22年4月、加害児童から「家畜」、「パシリ」と言われ学校を欠席した。保健室に通うようになったが、7月以降同じ児童から「保健室登校なんでしょ」などと言われ、不登校になった。
市は9月、いじめ防止対策推進法に基づく児童の欠席日数が30日に達したが、重大事態の調査に着手せず。市は10カ月後、児童が卒業した23年7月に、いじめ重大事態に認定した。その1年後、24年7月に調査報告書を公表した。
原告はいじめをきっかけに、重度のストレス反応適応障害を発症。保健室登校や不登校を余儀なくされ、自傷行為や学校に近づくだけでパニック症状が生じるなど症状が続く。
判決は、教員らが遅くとも22年9月時点で、いじめの重大事態として調査すべきだったと指摘。「原告が安心して登校できるような環境調整等の配慮を行う必要があった」と小学校教員らの注意義務違反を認定した。
また児童の精神的苦痛と教員らによる注意義務違反の因果関係を認めた。「(原告は)学校という閉鎖社会の中で生活することへの安心感を得られず大きな精神的苦痛を感じ得る状況だった」とした。
原告保護者によると、原告側は市が公表した重大事態調査報告書の内容が不十分として、再調査や裁判外紛争解決手続(ADR)、簡易裁判所での調停を要請。いずれも不調に終わり、提訴に至ったという。
判決を受け保護者は「学校、教員の注意義務違反、精神的苦痛との因果関係が認められ、とてもうれしい。いじめを隠ぺいしようとする学校と市側の姿勢は三郷だけではなく、全国的な問題のはず」と話している。一方、控訴するかは未定としている。
判決を受け市教育委員会は「判決内容を確認し、今後の対応を検討する」と回答した。










