【NEOインタビュー⑤】庭珈琲 最高の一杯で紡ぐ地元愛 埼玉県・松伏町
カフェのコンセプトは「庭」。誰もが気軽に訪れることのできる居心地の良い空間を地元・松伏に築きたいという思いが込められている。店主は大学生までコーヒーが全く飲めなかった稲庭さん。「苦手意識を持っている人にこそ来てほしい。〝これなら飲める!〞を提供したい」と今では最高級の一杯を振る舞い、地元愛を紡いでいる。
豆へのこだわりは人一倍強い。提供するのは公的な品質・味覚審査において85点以上の評価を得た希少価値の高い豆のみを使用したスペシャルティコーヒー。「苦い、冷めると酸味が強いといった固定観念を取り除き、多くの人に楽しんでもらいたい」。自らも苦手意識があったからこそ、おいしいコーヒーとの出合いを大切にする。
看板メニューは地元の穏やかでぬくもりのある印象を表現した「松伏ブレンド」。コロンビア、エチオピア、ブラジルの豆を配合し飲みやすい仕上がり。「松伏といえばこれ! といった手土産にできるものを作りたかった。ずっと育ててくれた地元に恩返ししていきたい」。1箱(10袋入り)売れるごとに100円ずつ地元の子どもたちに寄付される仕組みも取り入れた。
6月30日、開業2周年を迎えた。「地元が好きという理由だけで始めた」というカフェも今では地域住民の憩いの場となりつつある。「一番はそこにあり続けること。友人や地域の人の〝帰る場所〞になって、時間をかけて老舗になるのが目標」。これからも地元の活性材料としておいしいコーヒーと共に温かい居場所を提供し続ける。
◆私を支える「日常戻る読書時間」
趣味の読書は人生に必要不可欠な存在。「何度も読みたくなる本は祖母の家に帰省するような感覚になる本。自分を外部のイメージと切り離してくれる」。周りから抱かれる印象から、自分を日常へ戻すための魔法の時間だという。
50回以上読んだという愛読書は太宰治の『人間失格』。「主人公は本当に駄目な男。でも人間って誰しもこんな側面もあるよなって安心できる」と古本屋で買っては読みつぶし現在3冊目に突入した。24歳で他業種から独立し「普段は非日常の楽しさに満ちていて前のめりに生きている分、暗い話に支えられています」と笑顔で話した。










