浦和競馬の“ヒーロー”へ 室陽一朗騎手インタビュー 「馬あっての自分」と感謝、闘魂胸にリーディング目指す
浦和競馬所属の室陽一朗騎手(24)は今年8月、自身初の重賞制覇を飾り、存在感を示している。「馬があっての自分。感謝の気持ちを忘れず結果で恩返ししたい」と活躍を誓う。浦和競馬の“ヒーロー”へ―。闘志を燃やす室騎手に、騎手への思いや今後の目標などを聞いた。(森本勝利)
―騎手を目指したきっかけを。
小学6年生の頃、父に「競馬を見に行ってみるか」と誘われ、阪神競馬場を訪れたことがきっかけです。その時に観戦したのが、GⅠに昇格した年の大阪杯でした。キタサンブラックが走る姿や、人馬一体となってレースに挑む騎手の姿を見て、純粋に「格好いい」と感じ、自分も騎手になりたいと思いました。
当時は野球を続けながら、母のすすめで地元・広島県江田島市の施設に通い、乗馬を始めたばかりでした。もともと馬と暮らすような環境ではありませんでしたが、実際の競馬を見たことで目標がはっきりしました。それ以来、騎手になるという気持ちが揺らぐことなく、目標に向かって歩み続けてきました。
―自身のストロングポイントは。
スタート技術が安定してきたのが強みです。デビュー当初と比べ、最近は馬をうまくゲートから出せるようになってきたという手応えがあります。特に浦和競馬場は、スタート直後から先行争いが激しく、早い段階で前の位置を取れるかどうかが、その後のレース展開を大きく左右します。ゲートが開いてからどのように位置を取り、レースを組み立てていくのかに注目していただきたいです。
―思い出に残る場面、転機について。
今年8月のルーキーズサマーカップ(SⅢ)を、所属厩舎のウノキボンバイエ号で重賞初制覇を果たした時です。入厩当初から調教を含めて継続的に騎乗しています。初めてまたがった瞬間から、背中が柔らかく、乗り心地の良い馬だと感じていました。
普段の調教からマンツーマンで関わってきた馬と大きな舞台で結果を残せたことは、本当にうれしかったです。同時に自分の騎乗に対する自信にもなり、騎手としてさらに高みを目指すきっかけにもなりました。
―浦和競馬場の魅力とは。
スタート直後から繰り広げられる激しい主導権争いは、他場にも負けない迫力があり、騎手の駆け引きを間近で感じられます。場内は子ども連れやカップルの姿が多い印象で、競馬を知らない方でも一日過ごせる場所だと思います。改装により、さらに綺麗になったと思うので、食事などを楽しみながら、ぜひ観戦を楽しんでほしいです。
―ファンにメッセージを。
まずは浦和競馬のリーディングを取ることが目標です。その先には南関東リーディング、さらに全国リーディングという大きな目標もあります。ただ先のことだけを考えるのではなく、目の前の一鞍にしっかり向き合い、勝利を積み重ねていくことが大切だと思っています。
いつも教えられている「馬があっての自分」という言葉を忘れず、騎乗する馬への思いやりと感謝を持ち続けたいです。応援してくださる皆さんや厩舎関係者への感謝を結果で返し、信頼していただける騎手へ成長していきます。
■プロフィル
室陽一朗(むろ・ひいろう) 2002年4月9日生まれ、広島県出身。浦和・宇野木博徳廐舎所属。22年5月30日デビュー、同年6月1日初勝利。24年11月、地方競馬通算100勝達成。同年のヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンド中京でJRA初勝利。26年8月、ウノキボンバイエ号でルーキーズサマーカップ(SⅢ)を勝利、重賞初制覇。
=埼玉新聞WEB版=










