イネカメムシ大量発生…収穫の5割近くを失ったコメ農家 ドローンで防除し今年は「ほとんど被害なし」 全国で急増、埼玉含む37都府県で確認 温暖化で越冬増えたか
カメムシの在来種でコメを好む「イネカメムシ」が全国的に急増し、被害が続出している。地球温暖化で越冬できる個体が増えた可能性があるといい、国は九州から福島県にかけて、埼玉を含む37都府県で生息を確認。専門家によると生息域が広がる恐れもあり、国は地方自治体を中心に注意を呼びかけている。
県は2026年度、イネカメムシの広域防除に取り組む団体などに対して、防除に要する経費の一部を助成(1事業実施主体当たり上限50万円を補助・対象面積100ヘクタール)する予算を、25年度の1250万円から2千万円に拡大。6月下旬から県内50カ所で発生状況の調査も実施している。
9月21~25日の調査では桶川市、加須市の水田でイネカメムシが確認されたものの、発生状況は想定より少ないとしている。県農産物安全課の担当者は「調査は本年度から行っているため比較は難しいが、昨年度から行っている広域防除の成果が出ている」と見解を示した。
研究機関の調査では一部の農薬への抵抗性が確認されているため、県議会6月定例会で、千葉達也議員(自民、加須市)が薬剤抵抗性イネカメムシへの備えと防除体系の進化について県に質問。農林部長が「現時点で関東地方では確認されていない。県では2回の散布に当たり、異なる種類の農薬を組み合わせるように指導している」と答弁している。
■越谷の農家、防除効果が被害減 悪天候の影響か
2024年に大量発生したイネカメムシによって収穫量の5割近くが被害を受けた越谷市のコメ農家「ニイザカファーム」代表の新坂真之さん(54)は、昨年から農業用ドローンを導入して防除薬を散布している。今年も田んぼを守るため、穂が茎から顔を出す出穂期の7月下旬からドローンを飛ばしていた。
「防除のかいがあって、稲刈り中のコメはほとんど被害が出ていない」と胸をなでおろす。一方、今年は雨が多く、悪天候ではドローンが飛ばせないことに加え稲刈りにも遅れが出ており、防除薬の散布にまで手が回らない田んぼもあった。「2~3年前のひどいときに比べたら大丈夫。以前よりイネカメムシが減ったと聞いているが、まだ見に行けていないのでどうなっているか」と不安を語った。










