「いつの間にか20年」と沖田修一監督 映画、小説「さとこはいつも」
沖田修一監督が脚本も手がけた映画「さとこはいつも」が全国の映画館で公開中だ。今年で長編デビュー20周年を迎えた沖田監督は「次はこんなのができるかな、と思いながら一本一本を撮り続けたら、いつの間にか20年たっていた」と振り返る。
今作は公開を機に、書き下ろし小説「さとこはいつも」(文芸春秋)も刊行した。「書くこと」の楽しさに目覚めた「さとこ」という名前の女性3人の日々を、映画と小説でユーモラスに活写したオムニバスストーリーだ。
「筆が乗って止まらなかったり、書くだけでスッキリしたり。中学時代くらいから書くこと自体が好きで、文字がスクリーンに写る映画を作ってみたいと思いました」
主人公は、初恋に夢中な15歳の聡子(姫野花春)、6年にわたる不倫に終止符を打つ35歳の映画宣伝プロデューサー沙都子(有村架純)、子育てを卒業した55歳の主婦・里子(石田ひかり)。3人それぞれの理由で文章を書き始め、自分自身の気持ちを見つめていく。
印象的なのは、アレルギー性鼻炎で耳鼻科に通う聡子が鼻にネブライザー(吸入器)を突っ込んだ状態のまま同級生に恋をするシーンだ。撮影監督は「南極料理人」からタッグを組む芦沢明子。「僕の撮りたい世界を無理にでも実現しようと味方になってくれるカメラマン」という。この場面でも「芦沢さんだけに可能な“暴力的なほどに寄りの絵”が、聡子の存在感を生んだ」と笑う。
吉田修一原作の「横道世之介」や、さかなクンの人生を描いた「さかなのこ」など、20年にわたって観客を温かな気持ちにさせる映画を監督してきた。作りたいのは「自分の身近にいるような人たちが笑ったり泣いたりして『何だか、人生っていいな』と思える映画でしょうか」と語る。
「基本的に自分の作品では人が殺されないし、爆弾も出てこない。でも、そっちのほうがしっくりくる観客もいると思うんです」














