埼玉新聞

 

難病支援の輪 「パンダ鉛筆」で描く 埼玉県筋ジス協会(蓮田) 金杉和秋理事長

  • 鉛筆を正しく持つことができるようになる「パンダ鉛筆」

    鉛筆を正しく持つことができるようになる「パンダ鉛筆」

  • 金杉さん

    埼玉県筋ジストロフィー協会の金杉和秋理事長

  • 「健康であることの喜びを知って欲しい」と金杉理事長

    「健康であることの喜びを知って欲しい」と金杉理事長

  • 1ダース(12本、960円)のパンダ鉛筆

    1ダース(12本、960円)のパンダ鉛筆

  • 鉛筆を正しく持つことができるようになる「パンダ鉛筆」
  • 金杉さん
  • 「健康であることの喜びを知って欲しい」と金杉理事長
  • 1ダース(12本、960円)のパンダ鉛筆

 一般社団法人埼玉県筋ジストロフィー協会(蓮田市・金杉和秋理事長)は1965年に設立、60年以上にわたり、筋ジストロフィー症の撲滅、患者家族の交流の場として活動を続けてきた。「パンダ鉛筆」は命の大切さを啓発しようと協会が企画、販売。金杉理事長は「生きる望みや喜びを持ってもらうことが協会の大きな役割」と話している。

 金杉さん自身も24歳の息子を筋ジストロフィー症で亡くした。「かつては20歳まで生きられないと言われた」。現在治療薬が登場したが、効果は限定的とされる。車椅子生活を余儀なくされるなど患者を取り巻く現状は厳しいという。

 協会は根本治療が難しい患者に生きる望みや喜びを持ってもらうおうと活動を続けてきた。旅行やものづくりなど、患者や家族が支えあい豊かな経験、体験を積む機会を提供してきた。金杉さんは「かつては車椅子リフト付きのバスに乗り旅行を実現したこともある」と振り返った。

 「パンダ鉛筆」はそんな活動を財政の面で支えてきた協会の象徴になっている。全国各地に広がる筋ジストロフィー協会。「パンダ鉛筆」は埼玉県協会オリジナルの取り組みだ。

 鉛筆一本一本に等間隔でパンダの絵柄が描かれている。よく見ると、パンダの位置は互い違いに並ぶ。親指と人差し指の先をパンダの絵柄の上にのせると正しく鉛筆を持つことができる。

 協会は「パンダ鉛筆」を小学校で子どもたちに販売し、活動資金にあててきた。子どもたちは「パンダ鉛筆」を使うことで、身近な難病支援に関わることができる。

 県内の多くの小学校で広く購入されてきたが、時代の変化とともに状況は変わりつつある。学校内で現金を受け渡しする機会が減り、教員の負担も減らさなければならない。「パンダ鉛筆」は次第に売り上げを落としていった。

 さらに新型コロナの感染拡大が追い打ちをかけた。学校での販売が困難になり、メールでの申し込みによる販売に切り替えたものの、思うように売り上げは伸びていないという。

 一方、インターネットを通じて、かつて「パンダ鉛筆」を使っていた世代から「懐かしい」といった反響が寄せられるようになった。取り組みに共感した企業が市内の小学1年生全員にプレゼントする例も。支援の輪が着実に広がっている。

 鉛筆を手にする小学生は筋ジストロフィーを患う多くの子どもたちと同年代。金杉さんは「パンダ鉛筆」を手にする意義をこう語った。

 「鉛筆を使う子どもたちに、自分が健康であることの喜びに気づき、同時に世の中には病気と闘っている子どもたちがいることを理解してほしい」

 金杉さんは、投票所や受付カウンターなど、今後学校以外で、鉛筆を使う場でパンダ鉛筆を知ってもらおうと意気込みを見せている。

 【パンダ鉛筆】1ダース12本=960円(送料別)。濃さはHB、B、2B、4B、6Bの5種類。問い合わせ、申し込みは一般社団法人埼玉県筋ジストロフィー協会のホームページか(電話・ファクス048・768・8327)

=埼玉新聞WEB版=

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