対応打ち切りも…学校のカスハラ、さいたま市教委が指針 保護者らの誹謗や要求の反復など、約95%の学校で 休職者ら133人に増加、弁護士相談は4カ月で23件 来年4月から本格運用へ
埼玉県さいたま市教育委員会は25日、市立学校で保護者などによるカスタマーハラスメント(カスハラ)への対応指針を策定したと発表した。10月1日に施行される改正労働施策総合推進法に基づき、全事業主にカスハラ防止措置が義務化。県の防止条例や文科省のガイドラインを踏まえ、市独自の対応マニュアルを整備した。今後、教職員研修の準備を進め、来年4月からの本格運用を目指す。
同市教委によると、市内教職員の精神疾患による病気休職者および1カ月以上の病気休暇取得者数は2024年度が133人で、19年度の67人から6年連続増加している。休職の背景には、保護者や地域住民からのカスハラが要因の一つとされている。休職者増加により、代替え教職員の配置や復職支援などの行政的負担の増大が課題になっている。
市教委が行った25年度の意識調査では、保護者対応を負担に感じる割合は校長が64%、副校長・教頭が64%、教諭が49%。保護者対応に苦慮し、スクールロイヤー(学校内弁護士)に相談を行った件数は、昨年度17件で、本年度は既に4カ月で23件に達している。約95%の学校が、電話で保護者らから威圧的な口調、長時間拘束、要求の反復、個人への誹謗・非難などを経験している。
同日に会見した竹居秀子市教育長は「保護者の価値観の多様化や、いじめ問題の複雑化・多様化によって、学校対応の法的妥当性を確認する必要が高まっている」と分析。今回の指針では、複数職員での組織的対応、管理職への引継ぎ、対応の打ち切り、弁護士や警察との連携などを示す一方、保護者らから寄せられる正当な意見、苦情、要望などを一律にカスハラ扱いしないことを強調した。
竹居教育長は「教職員だけでなく、学校地域連携コーディネーター、ボランティア、給食調理員、清掃員など学校に関わる全ての方を対象とし、保護者や地域の皆さんへ分かりやすさに注視したガイドライン、実践的マニュアル作りを進めていく」と語った。










