理屈抜きの格好良さを見て 鷹之資、10月南座で「鳥居前」
若手の実力派歌舞伎俳優中村鷹之資が、10月の京都・南座「市川團十郎特別公演」の夜の部「義経千本桜 鳥居前」に出演、義経の忠臣・佐藤忠信(実は源九郎狐)を演じる。「理屈抜きの格好良さがある。歌舞伎好きにも初めての方にも楽しんでほしい」と話す。
忠信が、源義経の恋人・静御前を守りながら旅に出る場面。鷹之資の父・五代目中村富十郎も演じた、火焔隈に太いたすきを着けた扮装の荒事らしい役どころだ。2023年には沢瀉屋のやり方で演じたが、今回は音羽屋型。「古風な良さがある。力強さに加えて狐の怪しさを出せたらいい」
声と踊りの良さに定評があり、1月に「鳴神」、7月に「鎌髭」と、歌舞伎十八番で主役に挑んだ。「役を積むということが役者にとってどれだけ大事か」を痛感したという。「大きさ、力強さの表現で、何か進化できていると思う」と意気込む。
十八番はいずれも市川團十郎白猿に教えを請い、「(家の芸を)若手に任せる兄さんの心の大きさ」に触れたという。毎日のように助言をもらい、気付かないような小さな癖まで指摘された。「自分自身も細かいところまで気にしないと」と演技や衣装への意識がさらに高まった。
春には欧州公演で「藤娘」をつとめ、現地で文化への高い関心に感銘を受けた。「日本人の意識を歌舞伎にどう向けていくか、若い世代が考えないといけない」と決意を新たにした。伸び盛りの今、京都での大役に挑む。「いただいた機会を精いっぱい、一日一日必死に思いっきりやりたい」
京都・南座「市川團十郎特別公演」は10月3~25日













