埼玉で体操と陸上、両方に挑む16歳…「高校を卒業するまで両方頑張る」と誓う 最終目標は体操と陸上どちらも極める“大石二刀流”の完成
体操と陸上の「二刀流」―。埼玉県立ふじみ野高校1年の大石にな選手(16)が二つの競技で全国大会出場に挑戦している。体操では今夏の全国高校総体に出場し、女子団体総合5位に貢献。陸上の走り高跳びは6月の北関東高校陸上10位で全国切符が手に入る6位には届かなかった。「二つの競技でインターハイに行きたかった」。悔しさをバネに来年こそはと飛躍を誓った。
■副業から両立へ
ふじみ野高校を拠点に活動するZERO体操クラブで4歳から競技を始めた大石選手が陸上を始めたきっかけは、進学した川越市立寺尾中学校に体操競技部がなかったこと。「陸上で体力をつけて、体操に生かしたかった」と体操のために陸上競技部に入った。
種目はジャンプ力の向上を目的に走り高跳びを選んだ。記録が伸びることに楽しみを感じ、気付いたら夢中になっていた。3年生時には全国中学大会に出場するほどの実力をつけた。ふじみ野高校体操競技部顧問の小野寺浩教諭(62)が「おそらく中学で陸上はやめるつもりだったのではないか」と高校入学当時の印象を語るように、高校で続ける予定はなかった。
高校入学後、体操に一本化していた日々に転機が訪れた。陸上の全中経験者で陸上選手としての素質も感じた小野寺教諭と同校陸上競技部顧問の神崎将吾教諭(48)から熱意のこもった勧誘を受け、陸上競技部に入部。両競技で高みを目指すことを決めた。
■思わぬ強化期間
毎週木曜日が完全休養日で月曜日は陸上、そのほかの曜日は体操の練習日としている。「体操をやるためにこの高校に入った」と主軸は変わらない。それでも陸上の大会前には練習日を増やすなど妥協は一切しない。
不運にも全国高校総体後に右肘を脱臼し、体操の練習が思うようにできなくなった。治療に専念するため、体操の大会はしばらく様子見。来春に行われる全国高校選抜大会へつながる県高校新人大会の参加も未定の状況だ。
ただ、不幸中の幸いといえるかもしれない。素早く気持ちを切り替えられたことに加え、陸上でインターハイに出場できなかった悔しさから、腕への負担が少ない陸上の基礎練習に精を出せている。
■最終目標へ着々
11日に行われた陸上の県高校新人大会西部地区予選は1メートル55の1位で県大会出場を決めた。1メートル61の自己ベストには届かなかったが、足首の硬さが跳躍時に高反発を呼ぶ力強いジャンプは健在だった。
自覚する弱点は助走に必要な走力。神崎教諭から「走ることの要素が詰まっている」と課題克服のために指示されたメニューを精力的にこなす。走りながら障害を跳ぶ練習を繰り返し、体操競技に復帰したときのためにも、今できることに全力を尽くす。
10月1日から陸上の県大会が始まる。「関東大会への出場権を取る」と目の前に集中して陸上の“刀”を研ぎ澄ます。もちろん、本当に目指しているのはその先にある。「体操と陸上で共通することはジャンプ力。けがを治して質のいい練習をしてレベルを上げたい。高校を卒業するまで両方頑張る」。“大石二刀流”の完成が最終目標だ。










