大人気…大宮盆栽村のジオラマ 1935年頃の絵地図や資料を参考、昔と今が入り混じる独自のアレンジ 上から眺める大人…子どもは横からのぞき、空想の世界に「自分が歩いているみたい」
21日は「敬老の日」。人生100年時代と言われ、社会の中で活躍する高齢者は大勢いる。さいたま市北区盆栽町にあるボランティア団体「盆栽バレー」代表の田端フサさん(85)もその一人だ。約20年、盆栽の魅力を子どもたちに伝えるなどの活動に心血を注いできた中で、昨年は大宮盆栽村のジオラマ模型の制作に携わった。ジオラマはイベントなどに飾られると、人だかりができるほど大人気だ。田端さんは「一人でも多くの人に盆栽の素晴らしさに触れてほしい。その一心。盆栽の普及への思いが、私の原動力」と若々しい笑顔を見せる。
■空想の世界
ジオラマは約90年前、1935年頃の大宮盆栽村の絵地図や資料を参考に、主要な盆栽園をはじめ、現在の関連する施設や近隣の盆栽園も組み込んだ。昔と今が入り混じり独自にアレンジした模型だ。使用した植栽樹木数は約7500本、設置盆栽数は約1450鉢、設置家屋数は約120棟に上る。サイズは140センチ×90センチ、主要部分は縮尺400分の1。普段は盆栽バレーに置かれている。
昨年10月に、盆栽教育を取り入れる市立植竹小学校(北区植竹町)の「盆栽教室」で飾るため、業者に依頼し、約2カ月で完成してもらったという。同11月の「大宮盆栽村開村100周年記念式典」にも展示。興味津々に見入る来場者の姿が印象的だった。
今年2月と5月の市内のイベントにも設置され、人が集まるほどの大人気ぶり。田端さんは「ジオラマの威力はすごい。思っていた以上の大反響だった」とうれしそう。上から眺める大人に対し、子どもは横からのぞく。「自分が歩いているみたいだ」と空想の世界に入り込む子どもたちの姿に、田端さんは目を細める。
■衰えない情熱
田端さんは長年、市民ボランティアグループ「ぼんさい遊々」(山田香織会長)の副会長として、丹精込めて盆栽を育てる植竹小の児童にアドバイスをするなどの活動に尽力し、2017年4月にさいたま市内で開催された世界盆栽大会を最後に引退。それでも24年2月、盆栽の育て方や手入れ相談などを通じて、人と人とのつながりを育む拠点にしたいとの思いから盆栽バレーを開設した。
そんな田端さんだが、今年2月から約半年間、腰を痛めるなどして活動ができなかった。その間も盆栽文化普及への思いや情熱は衰えなかったという。症状も落ち着き、今は精力的に動き回っている。言葉の端々からは“盆栽愛”があふれ、その表情は生き生きとしていて、若々しい。
直近の目標は10月末に植竹小で開催される、盆栽園「清香園」5代目園主の山田さんが指導を行う「20周年記念盆栽教室」を成功させること。盆栽に向き合う児童の真剣な表情を一人でも多くの人に見てもらおうと、田端さんは関係者への周知に力を注ぐ。あふれ出る活力の源について、「大宮盆栽村にはこんなに素晴らしい文化があることを1人でも多くの子どもに知ってほしいし、触れてほしい。盆栽を通して、子どもたちとの交流が私の生きがい」と目を輝かせる。










