埋もれた女性作曲家に光を ピアニスト角野未来がデビュー作
フランスを拠点に活動するピアニスト角野未来がデビューアルバム「Appels(アペール)」を発売した。才能を認められながら、女性ゆえに音楽家としてのキャリアを築けなかったフランスの作曲家メル・ボニスに光を当てた。収録した曲集「伝説の女たち」は「女性の揺れ動く感情が表現され、自然と共感できる」と話す。
パリ音楽院でドビュッシーと同じクラスで学び、将来を期待されたボニス。親の理解を得られず中退し、25歳上の実業家と結婚することに。家事や子育てに追われる中で作曲に取り組んだが、ほとんど顧みられなかった。
「伝説の女たち」は「メリザンド」「オンファレ」ら戯曲や神話に登場する女性を題材にした7曲からなる。エレガントでロマンチックかと思えば技巧的だったり、激しい踊りだったり。作曲技法は必ずしも洗練されていないが「それが個性で、女性たちが本来持つエネルギーや力強さ、輝きを表現している。こんなにオリジナリティーにあふれた音楽は他にない」。
兄は「かてぃん」としても知られるピアニストの角野隼斗。妹が「図書館にこもって本ばかり読んでいた文系」なら、兄は駐車場でナンバープレートの数字を計算して遊んでいた「理系」。多方面で活躍する兄の音楽には刺激を受けるが、目指す方向性は「全然違う」。
ボニスに触れ、社会的な制約を受けながらも魅力的な作品を生み出した女性作曲家が多くいることを知った。「埋もれた作品を掘り起こすのが私の使命。作品の本質を誠実に捉えて演奏し、音楽の歴史に貢献するようなピアニストになりたい」
9月18日以降のリサイタル日程は以下の通り。18日札幌コンサートホールKitara、22日サンポートホール高松、26日徳島・阿波市交流防災拠点施設アエルワホール、27日静岡・富士市文化会館ロゼシアター、30日東京・浜離宮朝日ホール














