埼玉新聞

 

【東京ウオッチ】“機能性”押し広げ、人生に彩りと楽しさを―イタリア巨匠の大規模回顧展、アーティゾン美術館で いまのTokyoをつかむイベント情報(12日~22日)

  •  エットレ・ソットサス「カールトン」(1981年、製作:メンフィス・ミラノ、石橋財団アーティゾン美術館 (C)Erede Ettore Sottsass)(提供写真)

     エットレ・ソットサス「カールトン」(1981年、製作:メンフィス・ミラノ、石橋財団アーティゾン美術館 (C)Erede Ettore Sottsass)(提供写真)

  •  エットレ・ソットサス展で紹介されている「トーテム」シリーズ((C)Yuya Furukawa)(提供写真)

     エットレ・ソットサス展で紹介されている「トーテム」シリーズ((C)Yuya Furukawa)(提供写真)

  •  エットレ・ソットサス「花瓶no.16」(2006年、製作:ギャラリー・モーマンス、ジーノ・チェネデーゼ・エ・フィリオ、ファン・テッテローデ・ガラス・スタジオ、石橋財団アーティゾン美術館 (C)Erede Ettore Sottsass)(提供写真)

     エットレ・ソットサス「花瓶no.16」(2006年、製作:ギャラリー・モーマンス、ジーノ・チェネデーゼ・エ・フィリオ、ファン・テッテローデ・ガラス・スタジオ、石橋財団アーティゾン美術館 (C)Erede Ettore Sottsass)(提供写真)

  •  スープ商品を手にする「for her.」取締役社長の片山有紗さん=東京・伊勢丹新宿店本館

     スープ商品を手にする「for her.」取締役社長の片山有紗さん=東京・伊勢丹新宿店本館

  •  ディオールのメンズスーツを仕立てる「ディオール メンズ テイラリング」(イメージ画像)(提供写真)

     ディオールのメンズスーツを仕立てる「ディオール メンズ テイラリング」(イメージ画像)(提供写真)

  •  エットレ・ソットサス「カールトン」(1981年、製作:メンフィス・ミラノ、石橋財団アーティゾン美術館 (C)Erede Ettore Sottsass)(提供写真)
  •  エットレ・ソットサス展で紹介されている「トーテム」シリーズ((C)Yuya Furukawa)(提供写真)
  •  エットレ・ソットサス「花瓶no.16」(2006年、製作:ギャラリー・モーマンス、ジーノ・チェネデーゼ・エ・フィリオ、ファン・テッテローデ・ガラス・スタジオ、石橋財団アーティゾン美術館 (C)Erede Ettore Sottsass)(提供写真)
  •  スープ商品を手にする「for her.」取締役社長の片山有紗さん=東京・伊勢丹新宿店本館
  •  ディオールのメンズスーツを仕立てる「ディオール メンズ テイラリング」(イメージ画像)(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【12日(土)】

 ▽「エットレ・ソットサス―魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」(~10月4日、中央区)

 20世紀を代表するイタリアのデザイナー、エットレ・ソットサスさんの国内初となる大規模回顧展が、京橋のアーティゾン美術館で開催されている。近年国際的な再評価が高まる巨匠の足跡を、石橋財団所蔵のコレクションでたどる。

 ソットサスさんは1950~60年代、オリベッティ社の赤いタイプライター「ヴァレンタイン」などのユニークなプロダクトで、企業デザイナーとして頭角を現した。60年代後半に世界的な反体制の機運に影響され、「人々の心を救う」デザイン活動へ傾倒。陶器を積み上げた巨大な「トーテム」シリーズなど、カラフルで自由な造形を発表していく。学芸員の杉本渚さんは「従来のモダンデザインでは合理的な機能性が重視されたが、ソットサスは、デザインには生活に喜びを与え、わくわくさせる役割もあるとし、『機能性』の意味を拡張しようと試みた」と解説する。

 70年代に拠点のミラノを離れ、スペインなどを放浪した際に撮影した風景写真は、デザインを巡る思索にふけった様子を伝え、陽気なイメージで知られる人物の哲学的な一面もうかがわせる。

 80年代には倉俣史朗らも加わったデザイン集団「メンフィス」を結成。遊び心にあふれたプロダクトを次々と発表、中でも「カールトン」という棚は不朽の名作とされる。しかし、メディアの注目を浴び商業主義の傾向が強まると、同集団を脱退、後にそのグループも解散する。

 その後は自由闊達な精神を最大限発揮し、個性的な家具など、時にユーモアを感じさせる作品を制作し続けた。大胆な色使いの花瓶シリーズ(最晩年の18点を展示)は、実用性を備えつつ芸術性を極めている。

 杉本さんは「『好奇心は革新的だ』という言葉の通り自由で純粋な感性を尊重し、初期から晩年まで一貫して、人々の人生を豊かにすることを目指していた。作品から無限のパワーとエネルギーを感じてほしい」と話した。

 ○そのほかのお薦めイベント

 【12日(土)】

 ▽「セルフケアのための食を提案」(~15日、新宿区) 

 女性向けウェルネスブランド「for her.」の期間限定店が、伊勢丹新宿店本館地下2階のイセタンビューティーアポセカリーにオープンしている。

 同ブランドは2023年に創設され、産後ケアの視点から生まれた添加物不使用の「omamori soup(おまもりスープ)」を中心に展開してきた。

 取締役社長の片山有紗さんは米国での出産時、産後ドゥーラ(出産直後の母親に寄り添い支える専門家)から、食生活とセルフケアの方法を教わり、その重要性を痛感。日本では女性が仕事や家事、介護などの役割を一身に担い、周囲に気づかれにくい現状を目の当たりにしたという。「頼れる人が少ない社会で、孤立しがちな人たちのために、食を通じて役立つビジネスを広げたかった」と語る。

 期間限定店では、カレーにも使われるショウガ科のウコン(ターメリック)を基調とした味わいの「ほっとあたたまる やさしいスパイスの豆乳チキンスープ」などを紹介。店頭で試食を提供し、伊勢丹限定セットも販売する。

 片山さんは「今後は食はもちろん、人々が自分の心身をいたわるための商品を考案していきたい」と話した。

 【17日(木)】

 ▽「ディオール メンズ テイラリング」(~30日、渋谷区、事前予約制) 

 代官山のコンセプトストア「ディオール バンブー パビリオン」で、メゾンのメンズスーツをオーダーし、仕立てるイベントが開催される。日本の伝統工芸を取り入れた空間で、パリの最先端デザインと職人技を見ることができる。

 同メゾンのクリエーティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソンさんが伝統を再解釈し、新たなシルエットや仕立てを取り入れたメンズスーツを表現。熟練のテイラーたちが、ディレクターのコンセプトに呼応しつつ、パリ本店のアトリエで受け継がれてきた採寸から最終調整に至る精緻な技法を披露。一人一人の体のラインに完全にフィットする一着を仕上げていく。

 期間中は一部のブティック限定で実施される「メイド トゥ メジャー(パターンオーダー)」サービスも受けられる。ウールやシルクなどの高級素材や刺しゅう、日本初披露の生地をそろえるほか、メゾンの象徴的モチーフもあしらうことができ、自身の一着を自由に組み立てられる。

 【22日(火)】

 ▽「福島映像祭2026」(~23日、千代田区)

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の記憶を継承するため、関連する映像を集めた映画祭が、日比谷図書文化館で開かれる。認定NPO法人OurPlanet―TVの主催。 

 同映像祭は映画やテレビ番組、市民による記録映像などを上映する取り組みとして2013年から10年間、毎年開催されていた。震災・原発事故から15年を迎えた今年、2日間限定で復活。多彩な映像作品が上映される。

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