せめて一本だけでも残して…市民団体が保存訴えるも駅前の桜3本を伐採へ 樹齢80年、樹木医「珍しく貴重」と評価 市「やむを得ない」
埼玉県さいたま市見沼区の東武アーバンパークライン七里駅北側に立つ3本の桜の木が、駅周辺の区画整備事業の一環で、来春に桜が咲く前の本年度中に伐採されることが8日、分かった。同日の市議会9月定例会の代表質問で、鳥羽恵市議(共産)は「協議や検証が終わるまで、予算執行を停止すべき」と主張したが、市は「伐採はやむを得ない」と執行停止を否定した。
市民団体「七里の桜を守る会」が現地保存を訴えてきたが、市は事業施行者の七里駅北側特定土地区画整理組合への支援事業補助金を、本年度当初予算に計上していた。
市都市局によると、桜の木はもともと東武鉄道の土地にあったが、区画整理に伴う換地処分により、現在は同組合内の権利者の土地に仮換地指定されている。鳥羽市議への答弁で、新屋千樹副市長は、権利者の財産権尊重と区画整理事業の着実な推進を理由に、「樹木を伐採するという組合の方針は尊重していく」と強調した。
2002年から計画されている同事業は、24年までに七里駅舎の新設や自由通路整備が完了。周辺区画の整備が進んだため、組合が桜の伐採を決定した。
市は、接ぎ木などで次世代に同地の桜を残すことを検討しており、今後、採取した枝を市民に配布するイベントなどを計画しているという。
七里の桜を守る会によると、3本の桜の高さは14メートルほど。樹齢約80年の親木から枝分かれした幹が現在の花を咲かせており、調査を行った樹木医に「非常に珍しく貴重」と評価を受けている。
「素晴らしい景観をなくしたくない」と、同会は24年10月に伐採中止を訴える1万957筆の署名を清水勇人市長宛てに提出。この日、議会を傍聴した同会の井上陽子会長(79)は「せめて駅に近い一本だけでも残してもらえるように、今後も諦めずに署名活動などを続けていく」と語った。










