埼玉新聞

 

「麹×ビール」で循環経済や農地活用へ 川越のコエドブルワリーなどが新プロジェクト始動 CFで試作品提供

  • 完成した試作品に自信を見せる協同商事の朝霧重治社長(左)とビオックの村井三佐衛門社長=26日、さいたま市大宮区の渋沢MIX

    完成した試作品に自信を見せる協同商事の朝霧重治社長(左)とビオックの村井三佐衛門社長=26日、さいたま市大宮区の渋沢MIX

  • 国内初となる麹菌の発酵技術を使った「麦麹ビール」

    国内初となる麹菌の発酵技術を使った「麦麹ビール」

  • 完成した試作品に自信を見せる協同商事の朝霧重治社長(左)とビオックの村井三佐衛門社長=26日、さいたま市大宮区の渋沢MIX
  • 国内初となる麹菌の発酵技術を使った「麦麹ビール」

 川越市のコエドブルワリー(協同商事)は国菌である麹(こうじ)菌の発酵作用を活用した国内初のクラフトビール(発泡酒)の開発で耕作放棄地の活用やサーキュラーエコノミー(循環経済)の推進など新たなエコシステムを構築しようと、国内最大級の応援購入サービス「マクアケ」で26日からテストバッチ(試作品)をリターンするクラウドファンディング(CF)を開始した。

 現在、国産アルコール飲料(ビールやウイスキーなど)における国産麦芽・大麦の使用率はわずか約4%にとどまっており、製麦(モルティング)工程のコスト高が障壁となっている。そのため、麹菌による大麦デンプンの糖化をビール醸造に応用することで、従来の大規模な製麦モデルによらないエコシステムを確立しようと計画を立ち上げた。農業収益の拡大や地域ブランドの向上も目指す。

 開発には国内約50%のシェアを誇る老舗種麹メーカー「ビオック」(愛知県豊橋市)が協力。同日、さいたま市大宮区の県イノベーション創出拠点「渋沢MIX」で両社の代表者がプロジェクトの概要を発表した。

 協同商事の朝霧重治社長は「麹の用途開発は約500年前の焼酎以来なかったが、いま歴史が大きく変わろうとしている。世界のビール業界の構造自体を変えるプロセス・プロダクトイノベーションにしたい」と自信を見せた。パートナーのビオック村井三佐衛門社長は「日本の伝統的な麹、発酵が世界から注目される昨今、世界中で愛飲されているビール製造に応用でき誇らしい。技術を世界に広め、ライセンス収入など新たなビジネスモデルの構築にもつながれば」と語った。

 県産業労働部の萩原啓部長も「単独では難しい課題も他者とのネットワークで新たな価値を生み出すことができる。この取り組みを好事例として他企業にもイノベーションの動きが広まってほしい」と期待した。

 初期ロットの試作品はフルーティーな味わいが特徴。CFは来年1月12日まで行われ、応援者の声を反映しながら風味の調整を加えるという。プロジェクトの認知向上のため、2千人の応援者を最終目標としている。

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