埼玉新聞

 

空調会社の社長が本格だんご屋を創業 二足のわらじで挑む浦和の新名物へ 異業種参入で地域の活性化を 浦和の「わらうだんご」

  • わらうだんごの奥田智隆社長

    「わらうだんご」の奥田智隆社長

  • 「わらうだんご」名物のみたらし

    「わらうだんご」名物のみたらし

  • 店内に併設された駄菓子スペース

    店内に併設された駄菓子スペース

  • わらうだんご東浦和本店

    わらうだんご東浦和本店

  • わらうだんごの奥田智隆社長
  • 「わらうだんご」名物のみたらし
  • 店内に併設された駄菓子スペース
  • わらうだんご東浦和本店

 扉を開けると、店内にふわりと漂う焦げたしょう油の香りに、食欲がそそられる。さいたま市緑区に店を構える「わらうだんご」は、2024年にオープンした団子屋だ。社長を務める奥田智隆さんは、空調設備会社「奥田冷熱」(さいたま市緑区)でも社長を務めるなど、二足のわらじを履いている。開業以来、こだわりの詰め込まれた団子を、地域の新たな名物にしようと奮闘している。

 2024年3月に、東浦和本店を開店した「わらうだんご」。現在は、北浦和店と上尾店の計3店舗を展開する。店名の「わらう」は、「団子を食べて笑顔になってほしい」との思いと、店を置く「旧浦和(うらわ)市」を逆から読んだ字面が由来。生粋の浦和っ子である奥田社長の遊び心と地元愛が込められた店名だ。

 空調設備会社の社長も務めている奥田さん。団子屋を創業したきっかけは、和菓子職人である幼なじみからの誘いだった。「本当にただのノリでした」と奥田さんは、笑顔で振り返る。ただ、そのノリは試作の団子を一口食べると、決意へと変わった。

■味へのこだわり
 原料には、埼玉県産のブランド米「彩のかがやき」を使用。団子は通常、上新粉を練って作られることが多いが、わらうだんごでは、うるち米を蒸してつく独自の製法を採用する。粒の状態のまま団子へと調理することで、風味と甘み、もちもちとした食感を実現し、コメ本来の持ち味を最大限に引き出している。

 店の名物は「みたらし」。実は、銀座の割烹料理屋で5年ほど修業した経験もあるという奥田社長こだわりの餡(あん)には、毎朝引くかつお出汁をふんだんに使用している。トッピングに削り節やおぼろ昆布など和食の要素を取り入れ、まさに「和菓子×和食」のハイブリッドと言える上品な味わいの逸品だ。

 各店で、炭火の焼き場を管理。店頭で焼き上げることで、店内には香ばしい香りが広がり、外はカリッと中はもちもちの食感を実現する。「見た目、香り、味、食感、五感のすべてで味わってほしい」。

■意外な相乗効果
 一見、関連がないように思える空調設備と団子屋だが、奥田社長は「意外と利点があるんです」と話す。内装施工のノウハウを自社で活かすことで開業コストを抑制。わらうだんごの開業で、ほかの飲食店との新たなつながりが生まれたことで、空調設備の工事受注につながるなど、予期せぬ相乗効果が生まれている。

 現在の課題は、地域に根差していくこと。和菓子屋はこれまで他店との激しい競合を生き抜いてきた老舗が多い。地域の人にとっても「和菓子と言えば、あのお店」と固定客が多いため、新規参入の難しさを感じているという。

 東浦和本店では、駄菓子のスペースを併設し、地域のイベントの際にはお菓子の詰め合わせを提供するなど、認知を広げる努力を続けている。奥田社長は「自分たちが子どものころに駄菓子屋に集まっていたように、子どもたちがいつでも来られるホットステーションにしていきたい」と先を見据える。

 目指すは、浦和の新たな名物。「とにかく浦和への恩返しがしたい。団子を通じて地域を盛り上げるきっかけになれば」と、その視線は地域の未来を見つめている。

【わらうだんご】埼玉県さいたま市緑区東浦和3-2-7。JR東浦和駅から徒歩6分。営業時間は午前10時~午後6時まで。北浦和店、上尾店の詳細はわらうだんごのホームページから確認できる。問い合わせは電話(048・633・4255)へ。

 =埼玉新聞WEB版=

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