江戸時代の旅のスタイルや文化を紹介 旅の記録「道中記」や案内書、宿駕籠(しゅくかご)の複製など展示 川越市立博物館
江戸時代の旅のスタイルや城下町・川越にまつわる旅の文化を紹介した企画展「旅ゆけば―旅する川越人―」が25日から、川越市郭町2丁目の市立博物館で始まった。旅の記録「道中記」や案内書、宿駕籠(しゅくかご)の複製などを展示した。
日本で一般に旅が盛んになったのは江戸時代中期、18世紀以降の頃という。参勤交代など公用のための移動や信仰に関する旅をはじめ、物見遊山、廻国(かいこく)修行もあった。伊勢参りなど長期にわたる旅は、庶民にとっては人生に一度のイベントだったといわれる。
川越の人々の旅の目的には、伊勢参りや札所巡りなどの寺社参詣、病気を治すための湯治などが多かったといわれる。
展示では「諸国に旅立つ『川越人』」として、古谷上村(現・同市古谷上)の名主だった松本才兵衛を取り上げる。松本は伊勢講の講元も務め、伊勢参りや諸国巡礼を目的とした1769(明和6)年の旅では、秋葉神社(浜松市)や鳳来寺(愛知県新城市)などへも立ち寄っていたという。
会場に展示された「伊勢西国秩父道中記」には、昼食を取った場所や道中の寺社などが詳述されている。博物館の担当者は「昔の旅は大変そうだと思うが、道中日記からは、楽しみや醍醐味(だいごみ)があるのだと受け取れる」と説明する。
江戸時代の人々は旅に出る際、名主や寺院などの許しを得た後、名主らから領主へ願書を出してもらうことで許可を得ていた。川越藩が、喜多町に住む宇平次の出稼ぎを認めた1852(嘉永5)年の許可書「江戸へ足袋職出稼ぎにつき手形」(市指定文化財)では、5年後の8月に同町へ戻ることを約束されていたことが見て取れる。
ほかに旅に用いられた笠(かさ)や、旅で使われた簡素な宿駕籠の複製を紹介。伊勢や西国札所巡りの道中案内書「西国順礼道中細見増補指南車」なども鑑賞することができる。
会期は10月4日までの午前9時~午後5時。毎週月曜日は休館。一般200円、大学・高校生100円、中学生以下は無料。
問い合わせは、市立博物館(電話049・222・5399)へ。











