埼玉新聞

 

人と人との間にある希望描き出す 「ぐるりのこと。」など橋口亮輔監督作品4K公開

  •  橋口亮輔監督=東京都内

     橋口亮輔監督=東京都内

  •  映画「ぐるりのこと。」より((C)2008『ぐるりのこと。』プロデューサーズ)

     映画「ぐるりのこと。」より((C)2008『ぐるりのこと。』プロデューサーズ)

  •  映画「ハッシュ!」より((C)2001 SIGLO)

     映画「ハッシュ!」より((C)2001 SIGLO)

  •  橋口亮輔監督=東京都内
  •  映画「ぐるりのこと。」より((C)2008『ぐるりのこと。』プロデューサーズ)
  •  映画「ハッシュ!」より((C)2001 SIGLO)

 橋口亮輔監督の映画「ハッシュ!」(2001年)と「ぐるりのこと。」(08年)の4Kリマスター版公開が始まった。橋口監督は家族や人々の絆を描いた2作を「人間賛歌」と語り「人と人との間にしか希望はない。それはいつの時代も変わらない」と力を込める。

 「ハッシュ!」はゲイカップルの勝裕(田辺誠一)と直也(高橋和也)のもとに、孤独感を抱える朝子(片岡礼子)が訪れ「子どもがほしい」と勝裕に持ちかける物語だ。新たな家族の形をユーモアを交え描いた。

 本作の着想は1996年ごろ、オランダのゲイカップルによる精子提供の取材から得たという。「今と違ってLGBTといった言葉が広まっていない時代。いかに普遍的な物語として成立させるかを随分考えた」

 4K化で鮮明になった映像を見て俳優陣の繊細な演技に改めて感動したという。「画面からエネルギーが伝わってくる。『これ誰が撮ったの? 完成度が高すぎでしょ』と感じました」と笑う。

 「ぐるり―」はバブル崩壊以降の世相を背景に、子どもの死でうつになった翔子(木村多江)と彼女を支え続ける夫カナオ(リリー・フランキー)の姿を描く。本作でリリーは俳優として本格的に知られるようになった。

 リリーはその頃、自伝的小説が大ヒットし売れっ子になっていたが、撮影スケジュールの大幅な変更にも快く応じてくれたという。「この人は逃げないんだなと思った。翔子がカナオを選んだ理由が演者のリリーさんを前にして分かった」

 2作を振り返り「『人間を信じる』というのが僕の資質なのだと思う」と感慨深げに語った。「特に元気いっぱいの『ハッシュ!』が今の若い方にどう受け入れてもらえるかが楽しみです」

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