築60年超のレトロ校舎、残したい 埼玉・小川の旧下里分校、維持管理は過渡期 アニメ「のんのんびより」の聖地として訪れる人も 月額600円のファンクラブ開始
「コミュニティーとして、下里分校を残したい」。小川町下里にある「旧小川町立小川小学校下里分校」は2011年に廃校となったものの、NPO法人「霜里学校」により維持管理が続けられている。懐かしさを求めて訪れる人も多い一方、校舎の維持管理は過渡期を迎えており、理事長の小田穂(こだ・みのり)さん(32)は「地域の人が集まれる場所として持続的に維持していきたい」と意気込む。
■ツアーを開催
旧下里分校は1874(明治7)年に開校し、小学1~4年生が学んでいた。地域内の少子化が進み、2011年3月に閉校となった。閉校を惜しむ声が大きく、下里地区の人たちが主体となり、分校を残す活動が始まった。12年に霜里学校が立ち上がり、廃校を管理するとともに、「有機野菜の町」としても知られる小川町の利点を生かした有機野菜塾などが行われ、地域の交流の場として引き継がれてきた。
町内で生まれ育った小田さんは、都内のコンサルタント会社に勤めたが、地元に目を向けた際、「有機農業や里山の風景など、もっと注目されても良いのでは」と思い立ち、2020年に小川町にUターン。ボランティアとしてまちづくりに関わるようになり、旧下里分校と出合った。地区から校舎がなくなることで地域の交流の場がなくなることを危惧し、霜里学校に理事として参加。23年からは理事長を務める。
旧下里分校は全校生徒が5人の小学校の日常を描いたアニメ「のんのんびより」の“聖地”としても知られる。公に聖地と認められてはいないが、ファンの間で聖地として知られている。また、ドラマや映画の撮影にも貸し出しているほか、用務員室を再利用したカフェに訪れる人も多い。霜里学校ではそのようなファンに向けて、月に1回ツアーを開催。普段は立ち入ることのできない校舎に入り、分校出身の人の話を聞いたり、宝探しイベントなども開催している。
■ファンクラブ
現在の校舎は1964年に建築され、修繕工事は喫緊の課題。校庭の遊具も老朽化により4月に撤去された。また、運営は70~80代を中心とした管理人がボランティアとして日中は常駐しているが、高齢化による人員不足も懸念される。
持続的な維持管理ができるよう、今年4月から月額600円のファンクラブ「下里分校放課後クラブ」を始めた。全国各地にいる分校ファン向けに賛助会員という形で応援を募り、会員限定のイベントを開催するなどコミュニティー形成を図っていく。
小田さんは小川町の魅力について「東京にも通いやすい田舎」と語る。昨年5月にオープンした「道の駅おがわまち」も盛況で、町内の事業者との連携も目指している。「持続的に維持し、建物だけでなく、人やコミュニティーとして分校を残していきたい」
7月25日にはツアー企画として町内の七夕まつりの花火大会に合わせて分校で花火を見る企画が行われる。秋祭り、春祭りも開催する予定。詳しくは霜里学校ホームページへ。











