埼玉新聞

 

警察犬「おはぎ」初仕事でお手柄…行方不明の80代女性を発見、夜の街を30分追跡 普段は甘えん坊 家族のように育てた指導士も笑顔

  • 丸山精一郎署長(左)から感謝状を受け取った羽鳥文仁さん(中央)と羽鳥牧子さん、おもちゃをもらったおはぎ号=22日午後、さいたま市緑区の浦和東署

    丸山精一郎署長(左)から感謝状を受け取った羽鳥文仁さん(中央)と羽鳥牧子さん、おもちゃをもらったおはぎ号=22日午後、さいたま市緑区の浦和東署

  • 初出動で行方不明者を発見した羽鳥文仁さんとおはぎ号=18日午後、さいたま市浦和区元町1丁目

    初出動で行方不明者を発見した羽鳥文仁さんとおはぎ号=18日午後、さいたま市浦和区元町1丁目

  • 【地図】さいたま市浦和区(背景薄緑)

    さいたま市浦和区の位置

  • 丸山精一郎署長(左)から感謝状を受け取った羽鳥文仁さん(中央)と羽鳥牧子さん、おもちゃをもらったおはぎ号=22日午後、さいたま市緑区の浦和東署
  • 初出動で行方不明者を発見した羽鳥文仁さんとおはぎ号=18日午後、さいたま市浦和区元町1丁目
  • 【地図】さいたま市浦和区(背景薄緑)

 6月に行方不明の高齢者を早期に発見したとして、県警嘱託警察犬指導士の羽鳥文仁さん(47)と所有者の妻・牧子さん(47)=いずれも埼玉県さいたま市浦和区=と相棒バド号(雄、1歳)=通称・おはぎ=に22日、感謝状が授与された。4月に開催された審査会で合格し、今月1日から県警察嘱託警察犬になったばかり。初出動で見事、行方不明者を発見した。同市緑区の浦和東署で感謝状を受け取った文仁さんは「周りのにおいに惑わされず意欲的に捜索をしてくれた」と玩具のロープをもらって喜ぶおはぎを笑顔で見つめた。

 今月3日午後9時半ごろ、同市緑区内の介護施設から80代女性が行方不明になる事案が発生。文仁さんとおはぎは、県警から出動要請を受け同日午後11時25分から、女性の靴を嗅ぎ取り、においを頼りに足跡追及を開始。約30分後の翌4日午前0時5分ごろ、施設から約500メートル離れた路上で女性を発見した。

 おはぎは、この日が初めての出動。文仁さんは「嘱託されて3日の発見は、指導士として活動している26年間で初めて」と話す。当日は台風が通り過ぎた後で湿度が高い中だったが、他のにおいに引かれることはなかったという。

 おはぎは昨年5月、茨城県の訓練所で誕生。生後3カ月で羽鳥さんの家に引き取られ、昨年10月には嗅覚の訓練を始めた。上達が早く、文仁さんは教えていていつも驚かされていたという。

 文仁さんによると、おはぎの家系は嘱託警察犬一家。おはぎの祖母オランジェット号(通称・あんみつ)は数々の事件や災害現場で活躍し、イベントにも参加する人気警察犬で、祖父や母も警察犬として活躍。おはぎは特に祖母あんみつの人懐っこい性格や嗅覚の能力などを受け継ぐサラブレッド。「普段は甘えん坊だが、訓練が始まると切り替えが早い。生まれ持った素質だと思う」と語った。

 おはぎと同様に羽鳥さんも4世代で嘱託警察犬指導士の一家。祖父・忠夫さんが1952年3月に「浦和第一警察犬訓練所」を創業。県警で初めて嘱託警察犬が導入された54年に指導士に選ばれ、数々の捜査に貢献してきた。

 現在、文仁さんは父・敏雄さん(74)と息子の雄太さん(20)と共に指導士として活動。事件捜査など親子3世代で出動することもあるといい、連携しながら事件の早期解決に貢献している。「捜査には犬の能力だけではなく、指導士とのコンビネーションが重要。犬の特性を理解しながら訓練に励んでいる」という。

 「警察犬は生活の一部で家族であり、相棒。自分たちも犬に育てられて一緒に成長している」と、文仁さん。「においによる捜査は警察犬にしかできない。今回の成果をおはぎと今後継続して、警察と協力しながら地域の困っている人を助けていきたい」と意気込んだ。

ツイート シェア シェア