店のいち押し“県営唐揚げ” 野球談義で盛り上がる、さいたまの居酒屋 高校野球シーズンには県営大宮球場で売店も 店長は野球に懸けた元球児 店を開くきっかけ…大きかった仲間の存在
春季高校野球県大会は2日、準々決勝が行われ、4強が出そろった。大型連休期間中は大リーグやプロ野球、BCリーグなど、試合がめじろ押し。さいたま市大宮区桜木町の「野球食堂グランドスラム」は、浦和学院高校のOBが店長の、野球好きが集う居酒屋。高校野球シーズンの春から秋にかけては、県営大宮球場で売店を営んでいる。今夏、甲子園の土を踏むのはどこか。“場外スタンド”は今日も野球談義で盛り上がる。
大宮駅西口から歩いて約15分、国道17号との交差点近くにある野球食堂グランドスラムの店内には、プロ野球や大学野球、社会人野球界で名をはせた選手らのサイン色紙やユニホームが所狭しと飾られている。にぎやかなそうな見た目にさらに輪をかけたにぎやかな空間だ。
■推しの試合を毎日
昼は食堂、夜は居酒屋として営業。曜日を問わず、店内は多くの客であふれる。カウンターが10席、4人がけのテーブルは2卓、4人がけの座敷が5卓。オフシーズンも含めて毎日野球が放送されているのが店の特長で、計6台設置されたテレビを通じて、“推し”の球団の試合をいつでも楽しめる。
店長の大熊左京さん(28)は、中学時代に硬式野球チーム・加須リトルシニアに所属し、浦和学院高校に進学。加須リトルシニアの2年先輩には今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表でプロ野球・オリックスの若月健矢選手が、浦和学院には1年先輩に千葉ロッテの小島和哉選手、1年後輩には元オリックスの榊原翼さんがいた。
高校時代は3年生の時から学生コーチに転身し、最後の夏は応援団長として県営大宮球場の応援席で声をからした。チームは惜しくも準決勝で敗れ、甲子園には届かなかったが、大きかった仲間の存在は店を開くきっかけにもなった。店内には、共に汗を流した若月、小島選手や、榊原さんらのサインなどが飾られている。
■県営唐揚げ
店のいち押しは大きいサイズの唐揚げ。「シンプルにしょうゆとニンニクだけを入れるだけ。何もしないことがこだわり」と大熊さんは笑う。そこにハニーマスタードやタルタルソース、大根おろしなどを添える。常連の伊藤忠之さん(49)は「アットホームで話せるところがいい」と、2年ほど通っている。
店は10日に開店4周年を迎える。「お客さんに支えられた。4にちなんだ企画をしたい」。当日は休店日のため、企画は12~14日に行う予定だ。
高校野球の大会期間中は春から秋まで、県営大宮球場の三塁側売店で「県営唐揚げ」の名前で、甘くてすっきりした味が人気の「県営サイダー」などと共に販売している。
「県営大宮を子どもたちのテーマパークにしたかった。風物詩のように感じてもらえれば」と大熊さん。野球に懸けた元球児は、今も県大会の決勝の舞台となる県営大宮で、選手たちを温かく見守っている。









