吉田鋼太郎さん、「リア王」に さいたま芸術劇場の名物劇、シェイクスピア・シリーズ2nd どっちつかずになるのが嫌…初の主演に専念 石原さとみさん、藤原竜也さんら出演 5月5日開幕
俳優の吉田鋼太郎さん(67)が、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)の「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」第3作「リア王」で、シリーズ初の主演に専念する。テレビや舞台で活躍する実力派が、年齢を重ねた60代の今、シェークスピア四大悲劇の一つである「リア王」に挑む。5月5日に開幕する。
世界的演出家の蜷川幸雄さん(1935~2016年)が、シェークスピアの全37戯曲上演を目指して1998年に始まった同劇場の名物劇。蜷川さんから志を受け継いだ吉田さんが、2023年に完全上演を成し遂げた。2年前に現在の「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」を立ち上げ、吉田さんがシリーズ芸術監督を務めている。
「しんどい思いがしたくなった」。そう語った吉田さんの口元に笑みが浮かぶ。シェークスピア劇の主役を演じるのは、前シリーズ「アテネのタイモン」以来で9年ぶり。芸術監督として演出を務めながら舞台に出演してきたが、主演特有の重圧と達成感が恋しくなったのだという。
怒り、嘆く老王を演じるハードな芝居。「どっちつかずになるのが嫌」と、今回は演出家の長塚圭史さん(50)に演出を託した。40代の頃にもリア王を演じたことはあるが、「老人の気持ちが分かるようになった今の方がやりやすい」と話す。「リア王という世界を自由に泳ぎ回りたい。まず60代を入り口に、70代、80代でもやってみたい」と意気込む。長女役に石原さとみさん、家臣の長男役に藤原竜也さんが出演する。
物語はこうだ。退位を決めた高齢のリア王は、3人の娘に国を分け与えようとする。長女と次女の甘い言葉を信じ、口下手な末娘コーディリアを勘当。けれども2人に追い出され、嵐の中をさまようことに―。この有名な物語を、吉田さんは、「新旧の価値観のぶつかり合い」だと読み解き、激しく時代が変化する現代に重ねる。
この劇の中で、古い価値観を代表するのはリア王。新しい価値観を持つのは、自分の考えを貫くコーディリアや体制を壊そうとする若者。「昔の話だと思ったらそうではない。きっといろんな見方が満載だと思う」
演出する長塚さんはこう語る。「せりふも人物造形もとても面白い。けれど、遠いものにならないよう現代劇のように会話の鮮度を上げたい」。吉田さんは「四大悲劇の中でリア王が一番分かりやすい芝居だと思う。シェークスピアを見たことのない、特に若い人に来てほしい」と語った。
5月24日まで。当日券あり。問い合わせは、劇場チケットセンター(電話0570・064・939)へ。









