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中小企業に厳しさ一層…県内企業の大学新卒採用、3年連続で減少 就活生、より条件の整う大手企業へ

  • 県内経済

    企業の新卒採用、3年連続減

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 ぶぎん地域経済研究所が15日に発表した県内企業の「2026年新卒者採用調査」によると、全産業における採用実施企業の割合は前年比1・6ポイント減の52・1%と3年連続で減少。「ここ数年採用していない」とする企業は同比7・4ポイント増の39・6%となり、大学新卒者数が減少に転じた22年春以降で最も高くなった。就活生は物価高など先行きの不透明感で給与や年間休日数など、より条件の整う大手企業へと流れており、潤沢な労務費を賄えない中小企業にとっては一層の厳しさが予想される。調査は1月19日~2月27日に県内500社を対象に実施。製造業74社、非製造業76社の計150社(30・0%)が回答した。

 採用実施企業を業種別でみると、製造業が43・8%(同比0・5ポイント増)、非製造業が60・6%(同比3・4ポイント減)。内訳では「前年に比べて採用人数を増やした」が製造業で8・2%(同比2・8ポイント増)、非製造業で21・1%(同比9・1ポイント増)だった。非製造業では「採用を見送った」が5・6%(同比11・7ポイント減)と大きく減少した一方、「ここ数年採用していない」も33・8%(同比15・1ポイント増)と目立つ。規模別では従業員数100人以上が74・3%(同比3・4ポイント減)、100人未満が31・1%(同比2・3ポイント増)だった。

 新卒者採用数の充足度については「計画通り確保できた」が全産業の24・5%(同比3・1ポイント減)にとどまり、2年ぶりに低下。製造業で18・0%(同比4・0ポイント減)、非製造業で30・8%(同比1・9ポイント減)だった。規模別では従業員数100人以上が28・1%(同4・7ポイント減)、100人未満は18・4%(前年同率)だった。

 初任給については「5%以上引き上げた」が全産業の18・9%、「0・1%~5%未満」が44・2%、「前年度と変わらず」が32・4%だった。春闘の回答額(平均5・26%)に準ずる5%以上の実施企業は製造業と非製造業で大差はなかったが、規模別では従業員数100人以上が14・5%、100人未満が24・5%と開きがあった。過半数を超える企業が初任給を引き上げており、新卒者に対する採用ニーズの高さを裏付ける結果となった。

 総じて県内経済は緩やかな回復基調にあるものの、採用が連動して上向く状況にはなっておらず、同レポートでは「賃金体系の見直しや新人の成長を促す研修、キャリアパスの明確化、SNS(交流サイト)を活用したPR活動など採用手法の見直しが必要」と総括した。

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