埼玉新聞

 

歴史的名刀「本作長義」を再現へ 「山姥切國廣」の写しも 埼玉・東松山で20日展示 ネットゲーム通じ若い世代も注目

  • 熱した玉鋼を大づちでたたき鍛える作業。川﨑晶平刀匠(右)と弟子の渡部透さん=2月22日、美里町沼上の晶平鍛刀道場(作刀の依頼者提供)

    熱した玉鋼を大づちでたたき鍛える作業。川﨑晶平刀匠(右)と弟子の渡部透さん=2月22日、美里町沼上の晶平鍛刀道場(作刀の依頼者提供)

  • 川﨑晶平刀匠(左)と弟子の渡部透さん

    川﨑晶平刀匠(左)と弟子の渡部透さん

  • 【地図】東松山市(背景薄緑)

    東松山市の位置

  • 【地図】美里町(背景薄緑)

    美里町の位置

  • 熱した玉鋼を大づちでたたき鍛える作業。川﨑晶平刀匠(右)と弟子の渡部透さん=2月22日、美里町沼上の晶平鍛刀道場(作刀の依頼者提供)
  • 川﨑晶平刀匠(左)と弟子の渡部透さん
  • 【地図】東松山市(背景薄緑)
  • 【地図】美里町(背景薄緑)

 埼玉県美里町で活動する川﨑晶平刀匠(とうしょう)が、名刀「本作長義(ほんさくながよし)」を再現した「写し」を作刀することとなり、2月22日、同町沼上の晶平鍛刀道場で打ち初め式が行われた。なお、同刀匠が作刀した山姥切國廣(やまんばぎりくにひろ)の写しは20日、東松山市で開催される御手杵(おてぎね)祭で展示される。名刀の系譜を現代に伝える貴重な機会となりそうだ。

 本作長義は、南北朝時代に活躍した備前長船の刀鍛冶(かたなかじ)・長義による刀として知られ、現在は徳川美術館(名古屋市東区)に所蔵される歴史的名刀。近年はネットゲームなどを通じて若い世代にも広く知られ、注目を集めている。

 写しは、単なる模造ではなく、過去の名刀に敬意を払い、その姿や技法を現代の刀匠が可能な限り忠実に再現する試みで、伝統技術の継承という意味も持つ。

 今回、作刀を依頼したのは岐阜県在住の女性。約10年前、長野県上田市近くで行われた小刀作りイベントをきっかけに晶平刀匠と出会い、お守り刀として短刀を依頼した。その後、2019年に山姥切國廣の写しを発注し、22年に完成品が手元に届いた。

 女性は、「現代でも日本刀は制作可能。現代刀の芸術的価値を刀剣ファンに伝えたい」と考え、本作長義の写しも依頼することを決めたという。完成後は二振り(2本)を並べて展示し、多くの人に鑑賞してもらい、日本刀文化への関心を広げたいと語る。

 晶平刀匠は「今日の最高傑作は明日の最高傑作ではない」という信条を掲げ、常に自己を超え続ける姿勢を大切にしている。「目標は自分自身の作品を千年後まで残すこと」と語り、今回の作刀にも強い覚悟をにじませた。

 打ち初め式には女性と関係者が立ち会い、参加者全員で作刀の成功を祈願した後、炭火で赤々と熱せられた玉鋼を女性が大づちで打ち、鍛刀が始まった。完成までには多くの職人の手を経て、数年の歳月を要する予定という。

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