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「当面の影響少ない」 イラン、ホルムズ海峡封鎖 原油価格や株価を注視 埼玉県内財界

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    「当面の影響少ない」 イラン、ホルムズ海峡で県内財界

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 米国とイスラエルがイランへの大規模攻撃に踏み切ったことで、日本への原油運搬ルートでもあるホルムズ海峡が封鎖された。現在、総輸入量の約9割が同海峡経由のため、現在の戦争状態が長期化すれば、国内市場への影響も懸念される。

 県石油業協同組合(川越市)の石川忠専務理事は「突然のことで、ただ驚いている」としながらも、国内には約250日分の原油備蓄があり、「当面、市場への影響は少ない」と説明。政府や石油元売り各社の動向を注視し、「今後も地域の安定供給に努めたい」とコメントした。

 一方、液化石油(LP)ガスは約9割が米国、カナダ、豪州からの輸入で、中東への依存度は低い。LPガス大手サイサン(さいたま市大宮区)の川本知彦社長は「中長期的に世界の石油製品の需給が逼迫(ひっぱく)すれば、輸送費をはじめ、あらゆる物の価格が上がる可能性がある」と懸念。ただ、国の第7次エネルギー基本計画で“最後のとりで”と評されるLPガスはほかの輸入エネルギーと比べて在庫も安定しており、「有事に備えて日頃から体制を整えたい」と話した。

 埼玉経済同友会の代表幹事を務める埼玉りそな銀行の福岡聡社長は「遠い世界の出来事ではなく、自らの事業環境と密接に連動する課題だ」と強調した。当事国間の争いだけでなく、原油価格の高騰や株価の急落といった世界的打撃も十分想定されるため、「同友会として具体的に何ができるかを考え、実行に移すことが使命」と語った。また、地元金融機関として「リスクを取ってでも顧客と地域経済を守り抜く」と力を込めた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)埼玉の小泉勢子所長は「ホルムズ海峡に加え、中東の湾岸協力理事会(GCC)加盟国の多くが空域を封鎖しており、物流の断絶という深刻な問題をはらんでいる」と警戒。海外事務所からの正確な情報収集に努め、「サプライチェーンや輸送ルートの再構築など専門機関として相談に乗りたい」と語った。

 外務省の調査によると、イラン国内の日系企業は2024年10月時点で21社、邦人数は25年10月現在で約300人とされる。

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