埼玉新聞

 

見積もり甘く予算超過…「入札を円滑に」三郷市水道談合、市職員が起訴内容認める 贈賄側は時効成立

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

    さいたま地裁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 2018年7月、埼玉県三郷市が発注した配水場施設工事の一般競争入札で予定価格情報を業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反と加重収賄の罪に問われた、同市水道部施設課主幹の宮城真司被告(51)=同市泉2丁目=の初公判が3日、さいたま地裁であった。宮城被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、宮城被告が実施した工事予算の見積もりが甘く、工事価格が確保した予算より大幅に超過したことから、施設の設計業務を担当した企業に対し、無理して価格を圧縮させたと説明。宮城被告は価格を下げたことで入札不調になることを懸念し、「入札を円滑に進めるために、価格を教示して落札してもらおうと考えた」とした。

 一方で、落札した企業の社員らは、以前から知り合いだった宮城被告が工事担当者と認知すると、情報をひそかに聞き出そうと考え、宮城被告に飲食の接待を持ち掛けると「宮城被告も意図を察して応じた」と述べた。

 起訴状などによると、宮城被告は、18年8月6日に執行した水道工事一般競争入札で、県内に営業所を持つ水道工事会社の男性取締役と営業担当の男性社員=いずれも贈賄罪、時効成立=に秘密事項の予定工事価格に近い額を教えて入札、落札させ、その謝礼として、同年7月~11月までの間、7回にわたり計約11万円の飲食接待などを受けたとされる。

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