帝国データバンクによると、自動車部品大手のマレリホールディングス（さいたま市北区）と複数のグループ子会社は11日、米デラウェア州連邦裁判所へ連邦破産法第11条（チャプター11）を申請したことを公表した。負債は、グループ全体で約49億ドル（約7113億円）と公表しており、その大半が金融債務とみられる。

　同社は、2016年10月設立。マレリをはじめとする自動車部品メーカーを傘下に収め、グループ持ち株会社として機能してきた。マレリグループの中核であるマレリは、旧商号、カルソニックカンセイとして知名度の高い世界的な自動車部品メーカーで、日産自動車のグループ企業、かつ東証1部上場企業（当時、2017年上場廃止）として欧米やアジアにおいてグローバルに事業を展開してきた。

　2017年に米投資ファンドKKRの傘下に入った後、イタリアの自動車部品メーカー「マニエッティ・マレリ」と統合し、2019年以降はマレリグループとして新たにグローバルな営業活動を進めた。マレリホールディングスは持ち株会社としてグループの戦略機能を担いながら、金融機関からの資金調達窓口となって、2020年12月期の年売上高は当社単体で約118億2500万円、連結約1兆2665億4000万円を計上していた。

　しかし、その後の業績不振によって2022年3月にグループ会社5社で事業再生ADR手続きを申請。その後、金融機関との交渉を進めていたが不調に終わり、同年6月24日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、2022年8月に再生計画認可決定の確定により同手続きは終結していた。

　その後、再生計画に沿って再建を進めてきたが、主力得意先の日産自動車や欧州のステランティスの業績が低迷するなかで資金計画に狂いが生じ、2024年12月から始まる予定だった、金融機関への返済を延期。その後も、順次返済猶予を受けながら新たな資金繰り計画を策定し金融機関との調整に努めてきたが、債権者間での合意が得られずに注目されていた。

　一般商取引および従業員への影響はないとしており、事業は継続される。

＝埼玉新聞WEB版＝