埼玉新聞

 

<ランチ>飾らない「本当のおいしさ」をのんびりと 老舗漬物店が営むさいたま・北区のつけもの食堂

  • お母さんの味がコンセプトの「つけものランチプレート」

  • 「食べた人に『帰ってきた~』と感じてもらいたい」と話す染谷静香店長

 江戸後期に創業、230年以上漬物の製造販売をしてきた老舗「河村屋」の本店に併設されている。期間限定イートインとしてイベント的に行ってきた「つけものカフェ」が人気だったことから、本店のリニューアルを機に通常営業に踏み切った。

 「漬物ランチプレート」はおにぎり2種類と本日のみそ汁、ぬか漬けの盛り合わせ、佃煮の盛り合わせ、小鉢、ひと口デザート。国産原料にこだわり、季節や旬に合わせて産地も厳選、自社の職人が長い時間をかけて丁寧に作った漬物がたっぷり味わえる。

 「コンセプトはお母さんの味。どこか懐かしい、素朴な味と空間を提供したい。くつろいで、幸せを感じてほしい」と話すのは店長で取締役総括部長の染谷静香さん(45)。河村屋10代目となる染谷さんは大学卒業後会社員を経てイタリア留学へ。「イタリアは発酵食品の国、そして職人の国。合理的な大量生産ではなく手間と時間をかけて本当においしいものを作る。うちの商品に共通していた」と語る。

 店内には河村屋ヒット商品「大福神漬」や「玉ねぎのお漬物」といった多くの創作漬物とともに、オリーブオイルやみそなど添加物を限りなくゼロに近づけた国内外の“本物”も並ぶ。

 歴史と新しい感覚が共存する穏やかなランチの時間をどうぞ。

【メモ】つけもの食堂

 さいたま市北区別所町1125の6(電話048・667・6733)。営業時間は午前10時~午後4時。不定休。テラス席、別棟含め34席。上尾駅東口、宮原駅東口からバスで約10分「馬喰新田」下車。駐車場あり。他のランチメニューは「薬膳チキンカレー」(1300円)「薬膳チャツネサンド」(450円)など。

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