埼玉新聞

 

<川口中3女子自殺>いじめ、自殺の要因に 市の第三者委員会が報告書、学校の体制も十分に機能せずと指摘

  • 川口市役所=川口市青木

 川口市で2017年5月、市立中3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した問題で、市の第三者委員会が、同じ部活動の女子部員の言動をいじめと認定し、自殺の要因になったとみられるとの調査報告書をまとめていたことが31日、市などへの取材で分かった。

 女子生徒は15年4月に入学し吹奏楽部に入った。17年5月5日朝、部活に行く途中に市内の歩道橋から飛び降りて自殺した。現場に残されたかばんに、部活での人間関係の悩みをほのめかすメモが入っていた。

 報告書は、同学年の部員1人が、女子生徒に無料通信アプリ「LINE」で「うざい」「バカ」とメッセージを送ったり、女子生徒が人間関係の悩みを書きつづったノートをごみ捨て場に捨てたりした行為をいじめに当たると認定。「女子生徒が孤立感を深めたことが要因の一つとして自殺に至ったと考えられる」と結論づけた。

 また、女子生徒が部活の顧問や担任に繰り返し相談していたのに、問題が解決されなかった点について「早期発見、早期対応という学校の組織的な指導体制が十分に機能していたとは言えない」と指摘。教職員が情報共有の時間を設けるなどの再発防止策を提言した。

 第三者委は昨年1月に最終報告書をまとめたが、市教育委員会は遺族の意向を理由に公表していなかった。

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