埼玉新聞

 

比企と北条のいい時も…東松山で「姫の前」嫁入り記念日祝う 義時から1年超ラブレターも大河ではすでに…

  • 比企一族の「姫の前」の嫁入り記念日を祝う須加一昭さん(中央)ら=東松山市農林公園研修室

 東松山市大谷の東松山市農林公園研修室で、9月25日、比企一族の「姫の前」の“嫁入り記念日を祝う会”が行われた。

 現在、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放映されている。大谷地区は、13人の一人、比企能員や「比企の尼」(鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の乳母)ら比企氏ゆかりの地。今夏、「少しでも地域の活性化につながれば」と地元の有志が作った「比企一族を学ぶ会」(代表・須加一昭さん)の勉強会の一こま。

 この日は、歴史小説「比企の尼」(まつやま書房)の著者で同市在住の大内一郎さんから「姫の前」の話を聞いた。「姫の前」は比企朝宗の娘で「比企の尼」の孫。実は大河ドラマの主人公で、鎌倉幕府2代執権の北条義時の妻(正室)だった。

 義時は1年余りの間、「姫の前」に恋文を送っていたが一向になびかず、それを見かねた頼朝が義時に「絶対に離縁いたしません」という起請文を書かせて2人の間を取り持った。こうして、1192(建久3)年9月25日、「姫の前」は、義時に嫁いだ。いわば、日本の「契約(書)結婚の第1号」(大内さん)というわけだ。しかし、その後、比企一族は義時率いる北条勢に滅ぼされる。

 関係者は、コーヒーとケーキを食べながら「姫の前」の嫁入り記念日を祝福しながら「比企と北条のいい時もあったんだね」と、鎌倉時代に思いをはせていた。

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