埼玉新聞

 

少女漫画の世界を楽しむ…漫画家・花村えい子さんの特別室、川越のホテルにお目見え 壁一面に描いた少女…カーテンや寝具も独自に用意 利用は最大2人まで

  • 「小江戸川越ほの香ちゃん」のイラストが壁にあしらわれた花村えい子さんのコンセプトルーム

    「小江戸川越ほの香ちゃん」のイラストが壁にあしらわれた花村えい子さんのコンセプトルーム=川越市連雀町の「旅籠小江戸や」

  • 「小江戸川越ほの香ちゃん」のイラストが壁にあしらわれた花村えい子さんのコンセプトルーム

 川越市出身の漫画家花村えい子さん(1929~2020年)のコンセプトルームが、同市連雀町のホテル「旅籠小江戸や」にお目見えした。花村さんが描いた「小江戸川越ほの香ちゃん」が壁一面にあしらわれ、カーテンや寝具も独自に用意された。宿泊客は「少女漫画家のパイオニア」といわれる花村さんの世界を楽しむことができる。

 コンセプトルームはホテル3階の1室に設けられた。壁に張られた「ほの香ちゃん」は、市の24年度の提案型協働事業として行われた「川越が生んだ漫画家・花村えい子の推しガール総選挙」で1位に選ばれた作品。市のプロモーションのために許可制で無償提供され、市職員の名刺や店舗の看板などに使われている。

 室内には花村さんが1960~70年代に描いた作品のアクリルフレームが飾られているほか、代表作「霧のなかの少女」を日本語版とフランス語版で読むことができる。宿泊客にはマグカップやペーパーバッグなどがプレゼントされる。

 花村さんは同市連雀町生まれ。子供の頃は、コンセプトルームのホテルに近い蓮馨寺の境内でよく遊んだという。59年に漫画家としてデビューし、約60年間にわたって活躍。「不機嫌家族」や「落窪物語」など多くの漫画を発表した。「かわいらしい画風」と「抒情的な美人画」の両面を持ち合わせ、国内外で高く評価された。91歳で亡くなった。

 コンセプトルームはセミダブルで、最大2人までの利用が可能。1泊1万5千~2万8800円。

 問い合わせは、旅籠小江戸や(電話049・277・4901)へ。

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