埼玉新聞

 

3年ぶり「最後の舞」 行田・治子神社で下中条の獅子舞奉納 保存会、新たな時代へ後継者育成も意欲

  • 下中条の獅子舞で勇壮に披露された演目「弓」=20日午前10時半、埼玉県行田市下中条の治子神社

 行田市下中条の治子(はるこ)神社で20日に例大祭が行われ、3年ぶりに県指定無形民俗文化財の「下中条の獅子舞」が奉納された。

 天明年間(1781~89年)の利根川大洪水で獅子頭が漂着し、これを神前に奉納して始まったと伝わる。また慶長5(1598)年に鎌倉の長谷から移住してきた長谷川家が下中条村を開拓した時から始まったともいわれる。

 現在は下中条獅子舞保存会が伝統を継承。新型コロナウイルスの影響で、獅子舞は2年連続で中止となっていたが、今年は三匹の獅子が先導役の面花(めんか)と演目「弓」を勇壮に披露した。わらじ履き姿で、飛び跳ねたり、腹の前の太鼓をたたきながら躍動感あふれる舞を見せた。

 同会の飯塚茂夫副会長(72)は「来年は神社が新しくなるので、例年より規模は縮小したが、最後にここでできて良かった。会員は高齢化しているので、後継者も育てたい」と話した。

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