埼玉新聞

 

丸広坂戸店が閉店…東武東上線の沿線で集客力 イトーヨーカドー、東武ストアも撤退していた 跡地は

  • 閉店の告知が貼り出された丸広坂戸店=22日、坂戸市薬師町

 丸広百貨店(本店・川越市)は22日、坂戸店(坂戸市薬師町)の営業を8月21日で終了すると発表した。2002年10月にオープンし、地域経済を支えた店の撤退に、地元の商業関係者は市街地の空洞化を懸念している。

 坂戸市商工会に会社側から閉店の方針が伝えられたのは、今月だったという。坂戸店は同商工会の会員で、歴代店長が理事を務めるなど、活動にも積極的に関与してきた。砂川宏事務局長(64)は「集客力のある店の撤退は痛い。東武東上線沿線では丸広のブランド力は大きく、空洞化が心配」と表情が曇る。

 砂川事務局長によると、開店当初は川越市の西部からも買い物へ訪れるなど、坂戸店は市外の住民も引き付けていた。だが、市内に後発のスーパーなどが相次いで進出すると存在感は低下。近年は坂戸駅近くのイトーヨーカドーや北坂戸駅前の東武ストアが閉店し、古くから市街地にある大型店が姿を消していた。

 坂戸店が入る地上3階建てビルでは、1976年に忠実屋が開店。その後ダイエーから丸広へ変遷したが、市街地で暮らす市民の衣食住を支える大型店が営業してきた。だが、丸広撤退後の利活用は不明という。砂川事務局長は「空いたままでは困る。新たな商業施設が来てほしいが、商工会としては個人店であっても人を呼べる強い店を地域に育てなければいけない」と危機感を募らせた。

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