埼玉新聞

 

「日高屋」出店加速へ ハイデイ日高・新社長に青野氏 ライバル餃子の王将にも「十分戦える」

  • ハイデイ日高の次期社長に内定した青野敬成取締役(左)。高橋均社長(右)は相談役に就く=7日午後、都内

 ラーメン店「日高屋」など運営のハイデイ日高(さいたま市大宮区)は7日、次期社長に取締役執行役員営業管理部長兼情報システム室長の青野敬成氏(48)が就任する人事を発表した。5月末に開催予定の定時株主総会と取締役会を経て正式決定する。神田正会長(81)と事業をけん引してきた高橋均社長(74)は相談役に就く。新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続く中、経営トップの若返りを図り収益環境の改善を急ぐ。

 都内で記者会見した青野氏は足元の課題の早期改善などに努める考えを強調。コロナ対策を徹底した上で、特に注力する項目として「人材確保」「出店戦略」を挙げた。

 「人材確保」では新型コロナに伴うまん延防止等重点措置の解除後も、人手不足で通常の営業時間に戻せない店舗が多い課題を指摘。中途採用による経験者の登用を推進するなど、幅広く人材確保に努める考えを示した。

 出店戦略では家族層や女性客の利用で既存のロードサイド店舗が堅調なことを背景に、「首都圏ではロードサイドへの出店の余地がある」と強調。「餃子の王将」など近い業態も関東で郊外出店を強化しているが、「日高屋業態でも十分戦える」と出店加速に力を込めた。

 青野氏は愛媛県出身。1993年3月、愛媛県立西条高校卒。99年4月同社入社。執行役員営業部長などを経て、19年5月から現職。

 同日発表した22年2月期単体決算は、営業損益が35億2300万円の赤字(前期は27億9900万円の赤字)だった。2期連続の営業赤字。新型コロナの感染拡大が収束せず、時短営業や酒類提供の制限が前期より長期化した影響が出た。ただし、時短協力金の60億1100万円などを営業外収益に計上し、最終損益は15億7900万円の黒字(同29億4600万円の赤字)で、2期ぶりに黒字転換した。

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