埼玉新聞

 

ただ夢中で…近所の住宅火災に気付いた夫、妻と大型消火器を抱えて走り住宅突入 台所で消火、事なきを得る

  • 感謝状を手にする新井高敏さん(右から2人目)と清子さん(同3人目)=吉見町の東松山消防署吉見分署

 比企広域消防本部は、住宅火災の延焼拡大防止の消防功労者で、吉見町の新井高敏さん(75)と妻清子さん(74)に感謝状を贈った。

 新井夫妻は、昨年10月16日午後4時15分ごろ、吉見町北吉見で発生した、自宅近くの住宅火災で、いち早く駆け付け、初期消火を行い、一部を焼いただけで延焼を食い止めた。高敏さんによると、自宅の庭でバラの手入れを行っていた際、近くで真っ黒な煙が上がるのを目撃、とっさに「火事だ」と判断、家に入って、清子さんに伝えるとともに、家に備え付けの大型消火器を、それぞれが1本ずつ抱えて火災現場に駆け付け、火元の台所の火を消し止めた。高敏さんは、会社に務めていた際、防火責任者も兼ねていた。この経験から自宅の台所、階段下、2階の3カ所に業務用の大型消火器3本を備えている。

 小林明雄消防長から感謝状を受け取った新井夫妻は「ただ夢中でやった。消火器が重たくて、しかも走ったので息が切れそうだった。でも備え付けの消火器が役立って、良かった」と話していた。

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