埼玉新聞

 

埼玉の世界女王25歳、最速120キロ超ジェットスキーで初栄冠 14歳で魅了された金子真珠選手、16歳で小型船舶の免許取得、高校卒業し19歳から本格的に開始 埼玉群馬で水上練習、5日から新シーズンへ

  • 所有する水上バイクを背に年間世界女王の優勝カップを手にする金子真珠選手=行田市内

    所有する水上バイクを背に年間世界女王の優勝カップを手にする金子真珠選手=行田市内

  • 所有する水上バイクを背に年間世界女王の優勝カップを手にする金子真珠選手=行田市内

 昨年12月、タイで行われた水上バイク(ジェットスキー)の国際大会「WGP1ウォータージェットワールドカップ2025」で行田市在住の金子真珠選手(25)が女子の部で優勝を飾り、25年シーズンの年間世界女王に輝いた。「ジェットスキーの魅力を広めたい」と話す若き日本のエースは、3月から始まる26年シリーズに向けて準備を進めている。

 障害物のない海上や湖面を自在に駆ける爽快感と、最速120キロを超えるスピード感が醍醐味(だいごみ)の水上バイク。金子選手がその競技に魅せられたのは14歳の時、愛好家の父直樹さん(60)とともに観戦に訪れたタイでの国際大会だった。「同年代の海外の男女選手がレースで活躍するのを見て憧れてしまった」と話す。

 16歳で小型船舶の免許を取得し、高校卒業後の19歳から本格的に競技を開始。20年の国内大会でデビューすると、翌21年から全日本選手権で3連覇を達成した。25年シーズンはWGP1の日本、ベルギー、タイ大会に参戦し、「レースを始めるきっかけとなった思い出の場所」となる最終のタイ大会を制して通算ポイントで初の世界女王に輝いた。

 金子選手が出場するスタンドアップ(立ち乗り)部門はブイのある規定コースを周回して速さを競う。その時々の風や波の状況把握が求められ、操作ミスが出れば海に投げ出され、大けがを負うリスクも。「常に集中力が必要ですが、負けず嫌いな自分の素が見れるところが楽しい。難しいからこそ、はまってしまった。バイクの立ち位置が1ミリ違っただけで違う乗り物になる。日常の生活やスポーツでは味わえない感覚を含めて楽しいですね」とアスリートならでは視点で魅力を語る。

 157センチの身長で重さ250キロほどの水上バイクを巧みに操る。バランス感覚と体幹の良さは折り紙付きだ。水上練習は毎週日曜、行田市と利根大堰で接する群馬県千代田町の利根川で他のライダーと一緒に川面を走り、平日はヨガのインストラクターをしながら、走り込みなど持久力の向上に努めている。

 支援する父直樹さんは「一番の強みはメンタルかな。自分のポリシーを貫く頑固さがあって、プロのライダーから話を聴いたり、SNSを見ながら日々、自分でライディングを研究している」とたくましく成長した娘を見守る。

 WGP1豪州大会(3月5~8日)を皮切りに26年シーズンが始まる。招待選手として出場する金子選手は「今年から国際大会を中心に戦いたい。やっとスタートラインに立てたという気持ち。日本の女性レーサーが減っているので、良い成績を出してジェットスキーの魅力を広め、競技人口を増やしたい」と新たな挑戦を楽しみにしている。
 

ツイート シェア シェア